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キラ
第四章

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「それじゃあ」
「何かあります?」
「おいジツェンもういいか?」
 店の奥に顔を向けてだ、カルマは娘に声をかけた。丁度さっき学校から帰って来て着替えている最中なのだ。
「着替えたか?」
「ええ、お父さん」
 ジツェンは父にこう答えてだ、そしてだった。
 その黄色の店で一番いいキラを着て店に出た、すると。
 そのジツェンとキラを見てだ、日本の女の人は目を輝かせてだ、クリシュナに話した。クリシュナはその話に頷いてだった。
 そしてだ、カルマとジツェンにこう話した。
「そのキラ欲しいそうです」
「この黄色のキラをですか」 
 ジツェンはクリシュナの話を聞いて驚いて言った。
「そうなんですか」
「はい、そう仰っています」
「あの、ですが」
 驚きを隠せない顔でだ、ジツェンは彼に返した。
「この服高いですよ、それにあまり事情が」
「はい、それは」
 クリシュナは自分のことも日本人のことも話した、それからあらためてジツェンに対して言った。
「それでなんです」
「このキラをですか」
「買いたいと」
「それはいいんですがね」
 それでもとだ、カルマも難しい顔で言った。
「この服高いですよ」
「どれ位ですか?」
「これ位しますよ」
 カルマは服一式全てを合わせた額をだ、クリシュナに話した。
「相当高いですよ」
「そうですか、それじゃあ」
 その額をだ、クリシュナは日本人に話した。その後で。
 クリシュナはカルマにだ、こう言った。
「本当にそんなに安いかと」
「安い!?」
「そう仰ってます」
「あの、額確かに言いましたね」
「それでなんです」
「そんなに安くて、ですか」
「そう仰ってます」
 その日本人はというのだ。
「確かに」
「その日本人の人そこまでお金あるんですか」
「何でも旦那さんがお金持ちらしくて」
「そういえば日本は」
 ここでだ、ジツェンは学校での話を思い出した。それで言うのだった。
「お金持ちの国って聞いたけれど」
「その中でもなんです」
「その人はなんですね」
「ですからなんです」
 そのキラをというのだ、ジツェンが今着ている。
「この服を買いたいと」
「そうですか」
「駄目ですか?」
「いえ、買ってくれるのなら」
「俺もですよ」 
 ジツェンだけでなくだ、カルマも言った。
「買ってくれるならいいです」
「是非共」
「じゃあお金をです」
「払ってくれますか」
「では」
 クリシュナが通訳してだ、それでだった。
 その人はお金を出した、軽く出したそれを見てだ。
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