第六章
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「それこそ」
「そうなんです、ただ」
「ただ?」
「ゾロの仮面は欧州のでここの仮面はやっぱり」
「インディオのものね」
「そうですよね、これ買います」
牧子はその赤や黄色で彩られ独特のデザインに装飾の一目見れば忘れらない位に見事な仮面を見ながら決断を下した。
「それでお部屋に飾ります」
「そうするのね」
「先輩はどうされますか?」
「私も買うわ」
恵美も微笑んでだ、牧子に応えた。
「それで私もお部屋に飾るわ」
「先輩もですね」
「そうするわ、じゃあね」
「二人で買いましょう」
こう話してだ、そしてだった。
二人で仮面を買った、それでにこにこしている二人にだ。
ツアーのガイドさん、大人の女性の雰囲気を醸し出している雅琴乃さんがだ。その二人に笑顔で言って来た。
「お二人に是非来て欲しいお店がありまして」
「お店?」
「仮面のお店は」
「いえ、仮面のお店ではなくて」
ガイドさんは二人に優しい笑顔で話す。
「服のお店はどうですか?」
「服ですか」
「ここの」
「はい、この市場には民族衣装のお店もありまして」
「それにですね」
「私達もですね」
「はい、案内させてもらっていいですか?」
こう言うのだった。
「是非」
「はい、それじゃあ」
「お願いします」
すぐにだった、二人はガイドさんに応えてだった。
その店に案内してもらった、その店に行くと。
店の中でなく外にもだった、服がかけられ並べられていた。ハンガー等はなく棒の枝のところにだ。タオルの様にかけられている。
その服はどれもだ、赤や黄色に緑と派手な原色でだ。
そこにさらに模様が入っている、その服のうちだ。
牧子は丈の長いスカートを手に取って観てからだった。
赤地で真ん中に穴が空いていてだ、淵の左右の中央部分とその穴のところにだ。
葉の形をした赤に青、水色、白に緑とそれと同じ色の斜線の二つの模様が入った布を見てだった。ガイドさんに尋ねた。
「この穴が空いてる布は」
「それは上着です」
「これがですか」
「はい、ウィピルといいまして」
それでというのだ。
「マム族の民族衣装です」
「ウィピルですか」
「そうです」
「こうした服もあるんですね」
今知ったという顔での言葉だった。
「私もまだまだ不勉強ですね」
「そういえば貴女はスペイン語喋れますね」
「それで中南米についても勉強してますけれど」
それでもというのだ。
「この服は知らなかったです」
「その穴に頭を入れてです」
「それで、ですよね」
「着る服です」
それがウィピルだtいうのだ。
「所謂貫頭衣です」
「そうなんですね」
「模様もいいですね」
「はい、スカートのそれも」
緑の生地のそれにはだ、縦
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