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黒魔術師松本沙耶香  銀怪篇
11部分:第十一章
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第十一章

 大きな浴槽であった。そこで三人で入っている。共に一糸纏わぬ姿で蛇の様に絡み合っている。その中心には沙耶香がいた。自身の長い黒髪はおろし、湯舟の中に浸けている。それで二人の少女を絡めていた。
「どうかしら、本当の女の味が」
「これが女の子の味・・・・・・」
「そうよ」 
 一人の唇を吸った後で言う。
「男の子とは。また違うでしょ」
「はい」
「それでね」
 沙耶香はもう一人の喉を指で撫で回しながら尋ねてきた。
「貴女達は。何処で女の子を知ったのかしら」
 まずはそれから聞くことにした。
「よかったら教えて」
「ここです」
 一人がそれに答えた。
「原宿で?」
「はい、相手はあの二人です」
「私も一緒でした」
 もう一人も言った。
「あの二人というと」
「これ内緒なんですけれど」
「内緒なのね」
「秘密にできますか?」
「といっても信じるかどうかわからないですけれど」
「睦言を外で話すのは私の趣味ではないわ」
 沙耶香は何か警戒している二人に対して優しい声で語った。
「だから。話して」
「わかりました」
 二人はそれを聞いて頷く。頷く間にも沙耶香の指や舌が二人を責めていた。
「その相手は」
「シルバーデビルです」
 二人は答えた。
「彼女達が?」
「実はあの二人バイなんですよ」
「それで私達も」
「そうだったの。男の子も女の子もね」
「私達はじめてでしたけれど」
「あの二人凄く上手で。それで」
「女の子を知ったわけね」
「はい」
「けれどその後で凄く疲れたの覚えています」
「女の子とするのってそうなのかって思いましたけれど」
「それは人がした場合にはならないわね」
「人が!?」
「ふふふ、そうよ」
 沙耶香は笑って答えた。
「私がしたら。どうかしら」
「疲れはないです」
「けれど何か」
 二人はそれを断ったうえで述べた。
「まるで本当じゃないみたいです」
「まるで夢の世界に」
「宴は夢の中で行われるもの」
 沙耶香は言った。
「そうでなくては。よくはないでしょう?」
「はい」
 二人は沙耶香の愛撫にその身を委ねながら答えた。
「こんなのってはじめてです」
「身体が熱くなって浮き上がったみたいになって。男の子でもあの二人でも」
「あの二人は他にも女の子を頂いているのかしら」
「はい、多分」
 二人はその質問にも答えた。
「私達だけじゃないと思います」
「男の子も入れて」
「やっぱりね。そうだと思ったわ」
「そうだって」
「いえ、これはこちらの勝手な考えだから」
 最後までは言わなかった。
「けれどそれでわかったわ。有り難うね」
「いえ」
「お姉さんのお役に立てたら」
「ふふふ、言ってくれるわね」
 一人
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