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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第169話 現実の痛み
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〜2025年 12月9日〜
校門から出た途端、冷たく乾いた風が頬を叩いた。
それは決して、冬の空、冬の空の下だから、と言う訳では無かった。1人校門を出た少女、《
朝田
(
あさだ
)
詩乃
(
しの
)
》は立ち止まると、白いマフラーをきっちりと巻き直す。これだけで、冷気が、冷たい風が遮れる訳ではないけれど、このマフラーは数少ない温もりの1つだ。
――……これで高校3年間の総授業日数、608日の内156日が終わった。
それは、全体の4分の1が終わったと言う事。通常では、こうやって数える様な事はしないだろう。詩乃は、ある日を境に日数を数える様になった。
誰しもが通る道。高校生活、いや中学生活もそう。
それが、詩乃にとって何よりも苦痛でしかないのだ。だから、こうやって毎日の様に数える、数えながら呪文の様に呟く。
――……いつかは終わる。必ず終わる。
と。
この半ば強制的に所属させられている、この《高校生》という集団から解き放たれたい。毎日、毎日あの収容所めいた場所に通い、無気力な教師たちの講義を聴かされ、幼児期から何一つ内的に変化していないのではないか、と疑いたくなる連中と並んで体操などなんだのすることにどのあるのだろうか。
でも、その中でも輝いている教師や生徒はいる。尊敬の念を贈るべきところがある人達もいる。
でも、それでも自分にとって不可欠というわけではないのだ。だから、即就職する為に専門学校を、と思っていた。だが昔気質の祖父、自分の幸せを、と願っている母。その2人の事もあり、やむなく高校へと進学したのだ。
結局、彼女は呪縛から逃れる事が出来なかった。
――そう、中学時代と同じ様に……。
詩乃は、今日の苦行を終えた後、買い出しにと商店街へと向かう。一人暮らしをしているから、毎日の家事は自らでしなければならないのだ。
――別に、それは苦行でも、ナンデモナイ。アノ学校生活ニクラベレバ。
そして、献立を考えつつ、アーケードの中央にあるスーパーマーケットへと向かう。元々少食だと言う事もあり、一汁一菜が基本。あとはバランスを整えるだけだ。勿論、一人暮らしだから金銭にも気を使ったバランスだ。……味は二の次。
ある程度の献立を考え調達、会計を済ませて外へと出たその時だった。……彼女が、高校生活を苦行と思う様になった元凶と出会ったのは。
否、違う。
あの時のことを繰り返しているだけの……。
そして某時刻。
街中、アーケードにある大型書店の中から出てくる者がいた。
「うん……、たまにはネット注文以外にも、こう言う所も良いな」
手に持った袋の中にあるのは、とある専門書
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