職場
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トを突っ込む。
「来たか」
光の速さで移動する獣。聞けば神殺しの名を冠するらしい。
「ほう、速いな。だが」
右掌を開いて後ろへ下げる。そしてそれが眼前に迫ったとき――――――――
「私の師匠の方が速いようだ」
それの頭を掴み、捻り上げるように地面へ叩きつけた。
無銘はため息をついてシガレットをかみ砕く。それと同じタイミングでアル達が乗った車がやって来た。
「いやー、助かった。これからもよろしく頼むよ無銘」
「ふざけるな。貴様、先週もそう言っていただろう」
毒づく二人の余所に駆け付けたイーグルという人とシンラさんは破壊されたロンギヌスと呼ばれたアンドロイドを見ていた。
「あー、完璧に壊されてんなこりゃ」
「そうだな……だがしっかり製造コードの部分や動力炉の部分は残ってるな……しかしなぁ、肝心のメイン回路部分を破壊するとは……」
「やーーーーーーーーっと追いついたぁ!ねぇ、私のバッグは!?あれ高かったの、頑張って奮発したの、どこ!?どーこー!?」
赤毛の人が僕の傍に着地するなりそう叫んだ。そして無銘と呼ばれた人が赤毛の人に近づくと言った。
「すまん、私のミスだ。光速なもので逃げられたら面倒だったものだからから思い切り力を込めてしまった。アンドロイドと一緒にバックも木っ端みじんにしてしまったようだ。バッグはこちらで弁償させてもらう。それと、金はこちらで持つから皆で食事に行くといい。新人も来たのだろう?歓迎会でも開くがいいさ」
「やったーーーー!無銘ちゃんありがとー!!無銘ちゃんは来ないの?」
「私は約束があるからね。辞退させていただく。さてイーグル、酔いつぶれた時のカレンのことは任せる。シンラ、君はそこの少年君にいろいろ教えてやれ」
「うぃーっす」
「了解した」
「ではな。事後処理は他の連中に任せればいいだろう。 あとアル、貴様の分の金は払わんので用意しておけ」
「えええええ!!?それぐらいはいいんじゃないかなぁ?」
「誰が貴様に金などはらうか…………おい、少年」
無銘と呼ばれたその人はこちらを見て微笑した。その人は瞳を黒い帯で隠していたけれど、優しい感じが溢れていた。
「君の活躍を期待している。では、な」
その人は僕の肩に手を置いて再び微笑し、去って行った。
これが僕がペアを組むことになる無銘という人との出会い。そして、僕が生涯働くこととなるHeartsの入隊日だった。
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