職場
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らここへ『着いた』かと思うと、隊長さんにカーディガンを渡し、そのまま消えた。
「隊長殿、まさか彼女も!?」
「あー、うん。おっと、迎えが来たようだ」
かなりのスリップ音をかき鳴らしながら、それは降臨した。
「おーい、旦那。あと新入り。迎えに来たぜ」
「頼むよ、行くぞ少年」
隊長さんに手を引かれ、僕は車に乗らされた。
「シンラ、ポイントB2へ飛ばせ」
「あいあい、了解しましたっ……と」
レバーを操作した瞬間だった。シンラと呼ばれたその人は、犬の様な笑みを浮かべた。そして。
とてつもない速度で車が走り出した。
「ちょっ、こんなに飛ばしていいんですか!?エンジンとか……!?」
「大丈夫だ新入り。俺の異能で燃料切れなんざねぇ」
ちらりと隊長さんを横目で見る。その顔は僕の視線に気付くと、またにっこりと笑い、そういう事だと言った。
そしてどこからか通信機を取出し、誰かに連絡し始めた。
「ああ、頼むよ。相手は高速ならぬ『光速』の異能の様だ。手加減はいらない」
「捻り潰せ!」
「ちょ、旦那!?アイツまで使う必要ないんじゃ……」
「手加減なしだよ」
ポイントB1
まったく一切合切どういった状況なのか知ったことではないが、どうやら光の速さを持つひったくり犯が現れたようだ。
「何、あの赤毛……カオルの休みが削れた?私の知ったことではないだろう。そもそも私も今日は非番だ。手助けする必要などあるか?非番以外の奴らでも『光速』程度の能力ならイーグルに任せればいいだろう?……なに、新入り?……はぁ了解した」
通信機を切る。横にいる女性に話しかける。
「すまないな婆さん。どうやら時間だ。買い物した袋は……あイタ!」
「なめんじゃないよ無銘。こちとらまだ120年しか生きてないんだ。婆さんではないよ」
「では物の怪……妖怪か?クロウリー」
卑屈な笑みを浮かべてみる。横にいる銀髪の女性、クロウリーは舌打ちしてクリーニングしたスーツを投げる。
「いい加減その舐めた口閉じな、無銘。武術の師匠として言うが、アンタは生徒として武術の腕は天才的だがアンタの口に関して直せなかったのは8年の修行での私の失点の一つだ。じゃ、生きて帰ってきな。その減らず口の代金はうまい酒帰りに買って来ることで許してやる」
「ああ、はいはい。了解した」
そう言って私はクロウリーの部屋から出た。そして再び携帯に通信機から連絡が入った。
「ポイントB2?此処から近いな。ああ、そうだ」
「お前、うまい酒ある場所を知っているか?」
ポイントC1
「こちらイーグル……ああ、隊長殿。今ポイントC1の
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