十の鍵と二の鍵
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ちにはいないタイプの小童よ。面白い!!」
ナツはジエンマに突進し、火竜の鉄拳を放つ。だが、それをジエンマは片手で防ぐ。
「ぐっ!!」
「その程度・・・か!!」
ジエンマは力を入れると覇気でナツを吹き飛ばす。
ナツはなんとかその攻撃に耐えると無防備になっている腹部へとアッパーを叩き込む。
「うっ!!」
「オラッ!!」
ナツはすかさず顔面にフックを入れ、さらには肘に炎を纏うことで拳を加速させ、顎を殴る。
その後もナツは次々に拳を繰り出しジエンマを攻め立てる。ジエンマはナツの猛攻の前に反撃のチャンスを掴めずにいる。
「雷炎竜の・・・」
ナツは拳に炎と雷の両方を纏い、
「撃鉄!!」
ジエンマへとその圧倒的な魔力をぶつける。
そのあまりの威力にクロッカスガーデンのロビーの壁が破壊され、外にいる住民たちは何事かとそちらを見ていた。
ギュアン
辺りに立ち込めていた煙、しかしその煙をジエンマとナツの間に立っている女が振り払う。その女の後ろにいたジエンマは全くキズがついている様子はなかった。
「ミネルバ!?」
「お嬢・・・」
「いつの間に・・・」
ジエンマ、スティング、グラシアンがその化粧を施した黒髪の女を見てそう言う。
この女こそ、ユキノが言っていた剣咬の虎の最強の6人のうちの1人、ミネルバである。
「今宵の宴もこの辺でお開きにしまいか?」
「ああ?」
手に集めていた魔力を解いたミネルバがナツにそう言う。
「ミネルバ貴様、勝手なことを・・・」
「もちろん、このまま続けていても父上が勝つであろうが」
「父上?」
どうやらミネルバはマスタージエンマの娘であるようだ。
「しかし世の中には体裁と言う言葉もあるものでな。攻めてきたのがそちらであったにせよ、剣咬の虎マスターが大魔闘演舞出場者を潰したとあっては我々としても立つ瀬がない」
「言っとくが、消されるとしたらそっちの方だぞ!!」
ミネルバの物言いにナツが怒鳴り声をあげる。
「父上も部下の手前、少々熱が入り引くに引けぬと見えた。どうだろう、ここは妾の顔を立ててはくれまいか?」
ミネルバはそう言うと自分の胸の前に何かを召喚する。それはナツに取って大切なものの1つだった。
「さすれば、この子猫を無傷で返すこともできよう」
「ええーん!!」
「ハッピー!!」
ミネルバに抱き抱えられているのはロープで体を縛られて泣いているハッピーだった。
「ごめんナツぅー!!」
「くそっ!!」
ハッピーを人質に取られてしまった形のナツは表情を歪ませる。
「部下が何人かやられてはいるが、妾が今回の件不問に付しても良いと言っている。
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