三十二話:勉強と日常
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ラキラと輝かせながら俺の話に耳を傾けるミカヤ。
なんというか……こういう姿を見ると何かに夢中になれるっていうのが良い事だっていうのが良く分かるな。
それになにより。
「子どもみたいで可愛いな」
「……な、何を急に言っているんだい?」
何気なく呟いた言葉に動揺して頬を染めるミカヤ。
……こいつもしかして本気で照れているのか?
意外だ。こいつは何を言っても真顔で返して来ると思っていたからな。
不意打ちに弱いのかもしれないな。そして弄るチャンスだ。
「目を輝かせているのが子どもみたいで可愛いと言ったんだ」
「そ、そうかい。なんというか……恥ずかしいな」
「いや、何かに夢中になれるのは素敵なことじゃないか」
「そう言われると……嬉しいかな」
ニヤニヤと笑いながら弄っているというのにミカヤは顔を赤らめて俯きながらモジモジしているだけで俺に目を向けない。
これだと俺が普通にミカヤを口説いているみたいじゃないか。
というか、本当にこいつは恥ずかしがっているのか?
普段の行動から考えると擬態の可能性も十分考えられる。
ここは一端黙って相手のネタばらしを待つとしよう。
「…………」
「…………」
おい、なんだこの沈黙は。まるで甘酸っぱい青春のようじゃないか。
え、まさか冗談抜きで照れているのか? あり得ない。あのミカヤが。
おっぱいを揉ませてくれと言っても平然としている奴がこの程度で照れているだと。
もう一度言うぞ、あり得ない。
「と、すまない。その……突然言われて驚いたんだ」
「あ、ああ。俺も突然変なこと言って悪かったな」
「謝らないでくれ。その……嬉しかったから」
両手の人差し指をつつき合わせながら上目遣いでチラチラと見て来る。
なんだこれは。本気なのか、冗談なのかまるで分からん。
というか、誰かこの空気を壊してくれ。空気クラッシャーと名高い俺でもこれは無理だ。
「…………」
「………ぷ」
「は?」
「ぷははは! いや、君でもそんな困った顔をするんだね。意外と可愛い所があるじゃないか」
先程までのしおらしさはどこに行ったのか快活に笑うミカヤ。
よかった。さっきのはやっぱり冗談だったんだ。
「お茶のおかわりをくれないかい」
「ああ、少し待っていろ」
ミカヤの前に行き湯呑を受け取りキッチンに行くために背を向ける。
その瞬間しなやかな腕に抱き寄せられてしまう。
湯呑を落としてしまわないように握っているために抵抗できずにそのままポスっとミカヤの胸の中に納まる。
何がとは言わないがフカフカだ。
「ふふふ、油断したね」
「さっきからおかしいぞ、お前」
「変わったと感じるならそれは君のせいだよ」
「
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