sts 19 「時が流れても……」
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
とでもない。
「ふたりとも朝ご飯食べる時間はあるよね?」
「うん、私はあるよ。ショウくんは?」
「なかったらさっさと次の仕事に移ってる」
「普通にあるって言えばいいのに。本当ショウくんって素直じゃないよね」
「まあまあなのは、ショウのそれは今に始まったことじゃないし。それに昔に比べたら大分素直になってると思うよ」
フェイトの今の言い方はフォローになっていないと思う。彼女の優しさは多くの場合は助けになるが、今回のようなケースはかえって傷つけているだけだ。
ただ今では立場も役割をそれぞれ違っているが、こうして10年ほど前と変わらない会話をしているあたり、俺達の根っこの部分はあの頃から変わっていないのだろう。これが良いことなのかどうかは、時と場合によりそうではあるが。
★
朝食を取り終わった後、ファラやシャーリー達と協力してフォワード陣のデバイスやシュテルから回されてきたデータに目を通していると、はやてから部隊長室への呼び出しが掛かった。
俺の記憶が正しければ、今日もライトニング分隊は現場調査。スターズ分隊はデスクワーク。それぞれの副隊長はオフシフトであり、ザフィーラはヴィヴィオの護衛をしている。シャマルは医療関係の仕事があるはず。
なので大方俺が呼び出される理由は、誰かしらに会いに行くはやての付き添いだろう。
そう思った俺はフォワード関連のものはシャーリーに、シュテル関連のものはセイに任せ、ファラを連れて部隊長室へと向かった。
「マスター、はやて部隊長はどんな用事で呼んだんだろう?」
「さあな。まあ可能性で言えば付き添いとかが高いだろ」
「まあそうだね。……マスター、隊長ってわけでもないのに大変だね」
昔ならばはやてに敵意を出しながら嫌味のように言っていた気がするが、ファラもずいぶんと大人になったものだ。さらりと言っていたが、はやてのことも名前の後に部隊長を付けているし。自分の言動が何かしらの形で俺へ返ってくることを考えてやってくれているのかもしれないが。
――まあ何にせよ、ファラが成長したことには変わりはない。
ファラと会話しながら部隊長室に向かっていると、その道中でティアナも部隊長室に呼び出されているのを聞いた。一瞬疑問にも思ったが、彼女が将来執務官になりたいと思っていることを考えていると、おのずと答えは見えてくる。
なので俺は何事もなかったように部隊長室へと足を進めた。
「あぁショウくん、いらっしゃい」
部隊長室に入ると、デスクワークを行っていたはやてがこちらを一瞥して話しかけてきた。部隊長だけに目を通さなければならないものも多いのだろう。
「八神部隊長、今日はどんなご用件で?」
「他人行儀な言い方する人には教えん」
「あのな……世間では今のが一般的
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ