sts 19 「時が流れても……」
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いやいや、あなたは慣れてるでしょ。昔からアリサやシュテルから弄られてきたんだから。あのふたりと比べたら俺のやってることなんて微々たるもののはず。故にもっとやっても問題はないはず!
などとは思えないのでこのへんでやめておくとしよう。不機嫌なまま朝食を食べに行かれても困るし、機嫌が直らないまま時間が経ってしまうと後々面倒になるに違いないのだから。
「ショウくん、人の話は最後まで聞く……あっ」
何か喜ばしい光景でも見たのか、不機嫌そうな顔をしていたなのはの顔が一気に明るくなる。彼女の視線を追ってみると、そこには手を繋いで歩いている大人と子供の姿があった。ふたりとも金色の髪をしていることから、十中八九フェイトとヴィヴィオだろう。
「ショウくん、行こう」
どこに?
と聞き返す必要はない。いや、正確にはその余裕がなかったと言うべきか。笑顔を浮かべたなのはに腕を掴まれ、ふたりに追いつくように走ることを余儀なくされたのだから。
なのはが声を掛けると、ふたりは振り向いてこちらに歩き始めた。ヴィヴィオにとって現状で最も信頼できる相手はなのはらしく、彼女に抱きつくように近づいてきた。
「おはようヴィヴィオ、ちゃんと起きられた?」
「うん」
「おはようフェイトちゃん」
「うん、おはようなのは……えっと」
にこやかな表情を浮かべたフェイトだったが、ある一点を見た瞬間に苦笑いのような反応に困った顔をした。まあ昔ながらの付き合いがあるとはいえ、年頃の男女が手を繋いでいればそのような反応をするのは無理もない。
「なのは、俺はいつまで拘束されるんだ?」
「え? ……あっ、そ、その……にゃははは」
あたふたした最後に笑って誤魔化す。学生の頃はそれなりに見ていた光景だが、最近ではほとんど見ていなかっただけに懐かしさを覚える光景だ。ここで突っつくような発言をすると怒りそうなので胸の内に留めておくが。
「おはようショウ」
「ああ、おはよう」
「ほらヴィヴィオも、なのはさんとショウさんにおはようって」
「おはよう」
フェイトの言うことは、ヴィヴィオは素直に聞くものだ。自分にとって敵ではないということが分かったからなのだろうが……。
過保護な一面のあるフェイトはまあ仕方がないとして、なのはのヴィヴィオに向ける表情を見ていると少し不安になる。状況が状況だけに面倒を見るのは矢も得ないだろうが、あまり深入りというか情を持つべきではない。
――常に一緒に居てやれるわけではなし、何より俺達の仕事には危険が付き纏う。別れの日が来てしまった場合、情を持ってしまっていると互いに辛いだけ。
といっても、それはなのはも分かっているはずだ。管理局の魔導師として子供の頃から働いているのだから。今更俺が口に出して忠告するこ
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