二十五章
いつもの風景×朝からの鍛錬と妾との会話
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を持っているのが分かる。小夜叉は獣の闘気だが、綾那はそれにプラスして綺麗な雰囲気を持っている。
「要するに小夜叉が野性の虎であれば、綾那は誇り高き狼と言った感じなのかそれは?」
「主様がそう思うのならばそうじゃろうて。野性の獣という意味では同質なのかもしれんが、世の武人は鍛錬によって身につけた武術にて強さを競う事が多い。じゃがあの二人は武、そのものと言っても過言では無いじゃろう。主様もそうじゃろうに」
「まあな。持って生まれた強さ、という感じの者が多いが連合の中には武術という概念を取っ払った超越した武の力を持つ者が多いと見る。そう思わないか?幽」
「・・・・おや。気付かれておりましたか」
「気配で分かるし、俺ら黒鮫隊は気配が無くともそれを探査させてしまう力を持っている。後ろから様子を窺っていたように見えたが」
「水入らずを邪魔しては無粋と考えたまででござるが、確かにそのようですなぁ。何やらそれがし周辺にて、不自然な程な風が吹いている」
それはそうだろうよ。風による探査やら尾行まで出来てしまう程の風術を使う者は、ここで言うなら小波以上の探査能力と気配を消す力を持っている。俺と一葉からすれば幽も同じ家族のように見ていたが、どうやら少々違うようで。
「全部はやらんと言われても、時々おこぼれに預かるぐらいとも言うがもう分かっていて言っているのだろうに」
「やはり悟られましたか・・・・幕府の機密事項と言ってもバレている有様では内緒には出来ませんな」
「幽。お主も狙っておるのか?」
「はてさて。一真様との恋人条件は鬼と戦う者でありましたが、それがしもなりたいと言っても止めはしないと思いますぞ」
俺らのような戦闘狂は、ここにいる武人全てではない。連合にいる武闘派の武士共は戦闘狂ではないと言う定義なので、小夜叉や綾那と一葉のように突出しているがそれはただ目立っているだけの事。美空は良き戦狂いでもあるが、俺はそれさえも突き破る程の戦闘狂なのかもしれんな。幽曰く良い感じにバカが揃っているようで。
「良い感じなバカというのは、武田だと粉雪辺りか?」
「それがしが思うにはそうかと。ですが一真様はどうなのですかな?」
「粉雪は正直何でもかんでも信じるような小娘だからな、先行きが心配でもあるが三若もなかなかのバカ揃いに見える」
「確かにのぅ。あれはあれでなかなかのバカ揃いであるしな」
ウチにも三バカという仲間がいる所為なのか、親近感が湧いて来るがしょうがないか。考えている何やら太鼓の音が鳴ったから、一瞬何だ?と思った。
「ふむ?どうやら招集のようじゃな」
「いよいよ出陣ですかな」
「さて。連合も大きくなったは良いが、準備に今しばし時間が掛かるらしい。すぐに出陣とはいか
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