第15話 アリサ・バニングスの憂鬱
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声で呼んでも反応がない。
「有栖!!!!」
「うるせぇよ!寝れねぇじゃねぇか!!」
何故か逆ギレされた私は当然言い返した。
「アンタが票を入れないからでしょうが!!寝るんなら帰って寝なさい!!」
そう言われたアイツは直ぐにカバンを取りだし、荷物を入れている。
「………何してんのよ」
「帰る準備。このままじゃ、オチオチ寝れないからな。あっ、喫茶店の方に票を入れておいてくれ」
淡々と私に言って、カバンを持ち、教室を出ていった。
「なんなのよアイツは………」
学園祭のやることは決まったが、アイツの態度が気に食わなかった。
だが1つ、アイツに興味を持った。
………何でアイツはいつも何事にも無関心でいるのだろう?
アイツは基本、寝ていてばっかでクラスの人とも滅多に話しかけないし、話そうともしない。私が見かけるのは時々すずかにノートを借りる時だけ。
話しかけられても無視するし、みんなアイツを避けている気がする。
何でなんだろう………
喫茶店と決まった文化祭の出し物。
だけどいざ準備となった時、事件が起こった。
「男子がボイコット!?」
「そうなの………」
男子の大半がお化け屋敷をやりたかったらしく、それでも渋々準備をしていたが、女子の偉そうな態度に腹を立て、お化け屋敷を選んだ男子がほとんどボイコットしてしまった。
「どうしよう………アリサちゃん」
「………取り敢えず私たちで出来るところまでやりましょう」
そう言って残っているみんなと共に作業に戻った。
「お願い、このままじゃ間に合いそうにないの!!協力してください」
授業が終わった後、みんなの前に立ち、頭を下げてお願いする私。
だけど男子には届かず、時間ばかり過ぎていってしまった。
「アリサちゃん………」
「何で聞いてくれないのよ………やっぱり私が悪かったのかな………?」
「そんなことない!アリサちゃんは精一杯やってるよ!!」
「………ありがとうすずか」
すずかが私の手を取り勇気をくれる。
………もう少し頑張ってみよう。
「………はぁ、仕方ないな」
そんな2人の教室を覗いていた一人の生徒がそう呟いたのだった。
放課後………
今クラスに残っているのは私とすずか。
時刻はすでに18時30分を回っており、他のみんなは帰ってしまった。
「………すずか、もういいよ。後は私がやるから。これ以上はどうしようもないよ」
「ううん、私もアリサちゃんが帰るまで帰らないよ………」
「すずか………」
「最後まで諦めずに頑張ろう!」
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