風の行く先へ
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の情報を掴んでなんとかアジトを突き止めてみれば。
こうして、婦女暴行の現場に出会してしまったわけだ。
彼女を無傷で助けられなかったことは申し訳なく思う。
捕まえた山賊と失踪者に関わりがあれば、一度に解決できて良いのだが。
その辺りは、現場の調査と山賊の取調べで明らかにするしかない。
下半身を剥き出しにしたまま息絶えた汚らしい強姦魔は放置して。
とりあえず、屋内を一通り探ってみる。
部屋と呼べるものは、今立っている、奥に広い長方形の空間が一つだけ。
左手側中央付近の壁沿いには、木製の四角いテーブルが一脚。
その上には、散乱した食料と唯一の光源である三又の燭台がある。
椅子は一人用が二脚で、長椅子は無し。
右手側中央付近の暖炉に薪は入ってない。
商人や旅人から略奪したのだろう。
床にも壁にも天井にまで、場所を選ばず無造作に散らかされている金品。
おそらく持ち主は既に他界しているこれらは、どこへ返還するべきか。
「…………?」
事後処理に頭を悩ませていると、部屋の奥に光る『何か』が見えた。
ロウソクの灯りの反射ではない。
それ自体がぼんやりと、白っぽく光ってる。
「『光る物』に、あまり良い予感はしないな」
少し前にも、なんだかよく分からない怪奇現象に遭遇したばかりだ。
以降、特に変わった体験はなかったから、安心していたのだけど。
「来ないでください、怪奇現象」
祈りつつも足を向けてしまうのは、いつもの『なんとなく』だ。
本当に危険な物なら、決して近寄ろうとは思わないから。
あの光は悪い物ではないのだろう。
多分。
「…………羽根?」
光る物の正体は、純白の羽根のネックレスだった。
鎖ではなく、ねじった黒いひもに銀の留め金で飾られた、薄く光る羽根。
鳥の羽根にしては大きいな。
手のひらに乗せても大幅にはみ出す長さだ。
羽根一枚でこれなら、翼の全体像はどんなものになるのか。
ちょっと想像できない。
「綺麗ではあるけど、なんだろう? 弱々しいな」
本当の姿じゃないからか?
「持っていても、人間が使える物ではないぞ」
「………… っ!?」
羽根を掲げて見てたら、背後から知らない男性の声が耳元をくすぐった。
反射的に肘を振って……空振り?
勢いで体を反転させ、胸元で羽根を握りながら壁に背中を預ける。
数歩先に立っていたのは、真っ黒な上下服を着た金髪紫目の……
なんだろう?
どことなく、ベゼドラさんと似てる。
いや、顔つきとか体格とか色彩とかは、まったく違
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