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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第168話 別人
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煙幕は解放されてから徐々に煙に満たされるモノだ。だが、煙が広がるのが早すぎる。
「……まさか」
シノンが思い出したのは、爆弾を放った後に聞こえてきたあの乾いた音。あれが銃声だった、とすれば。
「……撃ち抜いた? あの瞬間に、投げた後に
爆弾
(
スモーク・グレネード
)
を?」
口を覆いながら、そう呟く。そして拳銃の狙撃スキルが異常だ、と思った。投げた爆弾に、一発でヒットさせた事に驚きを隠せない。そんな曲芸の様な射撃に……。
「じゃあ、また……会うかどうか判らないけど」
「ま、待ちなさいっ!!」
シノンは、煙を掻き分けながら、その声を頼りに進もうとしたが……。煙が晴れた先には何も誰もいなかった。
「あ、あいつ……」
シノンは、ギリっと歯を噛み締めた。
あのアバターの中に誰が入ってであろうと、何時か、また会う。
そんな予感がした。
シノンは、傍らにあるへカートUを取った。そして、銃身をぎゅっと握り締めた。また必ず来る戦い、それを思い浮かべながら。
そして、荒野から離れた某場所。
「ん……、爺やに言われて入ったのは良いけど、まさかこんな展開が待っているとは」
腕を組みながら唸り声を上げつつ、そう呟く。今回、シノンが言うようにこのアバターの中身は別人なのだ。私事もあり、本来のプレイヤーは入っていない。
「……まぁ、GGOの世界に多少は慣れる、って名目で入ったけど、やっぱり自分の力で一から育てたデータじゃないと、気乗りはしない、な……。今回は状況が状況だから仕方ないか」
今回入った理由は、この世界のことを慣らす為もある。
初期ステータスで、ハイレベルの戦いの中で慣れるのは難しいとの事。数あるVRMMOの中で唯一プロがいるこの世界を知る為。
……そして、件の事件の事は爺やも知っている。
だからこそ、そこでも何時もの心配性が出たのだ。現実世界では、完全にバックアップをする。そしてゲームの中では任せるが……、ある程度は出来るまで。……彼の腕を疑う訳じゃない。寧ろ、自分よりも腕は上だ。それでも、初めてするゲームであれば、幾ら彼でも万能とまではいかないだろう。
そして実際に爺やはあの異常者、死銃と名乗る男と相対している。只者じゃない、と言う事を肌で味わっているのだから。本来なら、全てを受け継ぐ事も考えていたが、これは自分が請け負っている事件モノだ。
「……あの死銃と言う男、何か感じるから」
この世界でも、現実世界でのデータ、レコードを聴く事は出来る。端末から、アミュスフィアにデータを送信し、再生する事が出来る。
『……これが本当の力、本当の強さだ! 愚か者どもよ、この名を恐怖と
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