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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第168話 別人
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程にデカい。回避不可能、と一瞬で判断したシノンは、伏射体勢から立ち上がった。
最後の最後まで諦めない。
諦めるとしたら、死に戻りをし、総督府へと送られた時のみだ。戦いは最後まで何が起こるかわからないものだから。
これも、
あの男
(
・・・
)
から教わったモノだ。
シノンは、足に力を込め、左へジャンプ。だが、
予測円
(
サークル
)
からは逃れられない。
――殺られるっ!
シノンがそう思った瞬間。
「ッ……」
遠目からでも判る。ベヒモスの表情が一瞬歪んだ。その巨躯の身体に幾つかの赤い斑点を作っていたのだ。着弾し、光が弾けた証拠だ。
その撃ち手は、ダインだった。
アサルトライフルをかまえ、命中精度を稼いだ上で、狙い撃ったのだ。この状況での判断力は流石と言えるモノ。人格は一先ず置いといたとしても、助けられたのは事実だ。シノンが居た場所が、無数の銃弾によって抉り取られている。
「ダイン! もっと右に!」
そこまで叫んだ時、再び掩蔽物から姿を現した2人のブラスター使いが立ち上がりかけたダインに、向かって容赦のない光の矢を射かけた。
それは、距離が近すぎた様だ。
ダインが持っている防護フィールドは全く効果を発揮せず、無数の光の矢がダインの身体を貫く。その反動で吹き飛ばされそうになるのを必死に堪えながらも、ダインはシノンを一瞬見た。
ダインも男だ。
女であるシノンの激を受け、そのまま何もせずに、くたばる訳にはいかない。彼の中に残っていた男らしい部分が、この時発揮したのだ。
「うおおっ!!」
その叫びは、システム数値に影響する訳ではない。
だが、彼の魂の咆哮は身体能力に直結したかの様に、撃たれたと言うのにその反動をも押し返し、進んだ。だが、HPの減りは止まらない。ほんの刹那で、消滅するだろう。その一瞬の隙間、ダインは腰に下げた大型プラズマ・グレネードを引き抜いた。そして、身体を散らす前に、その爆弾を掩蔽物の向こうへと投げ込んだ。敵のブラスター使いは、そのブラスター銃の銃口から吹き出るエネルギーの光のせいで、目が眩み、見る事が出来なかった様だ。
そして、気づく頃にはもう遅い。
そのエネルギーの光よりも眩む閃光が包み込んだと同時に大地を揺らす衝撃と轟音が轟渡った。
死の間際、ダインは最後に2人を道連れに死んだのだ。彼女が言ったとおりに。
――ナイスガッツ!
最後の最後で、意地を見せ、退場したダインに向かって軽く短くエールを送る。そして、押し寄せる土煙、グレネードによって発生したそれが包み隠す格好の隠れ蓑になる。味方も、ベヒモスの掃射に消され、そして 敵側ブラスター使いたちも、ダインの特攻と味方たち
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