マブラヴ
1071話
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動力が危険を知らせてくるものではない以上、そこにあるのはそれ程大きな危険ではないという事になる。
つまり、シャドウミラーの最大戦力である俺がいなくてもどうにかなるかもしれないという訳だ。
この微妙な感じが、どうしようかという迷いになるんだが……それでも、この経験から来る勘を信じないという訳にもいかない。もしそんな真似をすれば、それこそ俺自身がこれまで経験してきた幾つもの修羅場を軽んじる事になるのだから。
それに……
「向こうが参加を断っているのは、この姿のアクセルアルマーなんだろう? なら……」
呟き、俺の全身を白炎が覆い、次の瞬間には俺の姿は20代の……このマブラヴ世界ではアクセル・アルマーと認識されている姿から、初めてネギま世界に行った時の10歳前後のものへと変わっていた。
「この姿の時の僕なら向こうも分からないよね、エザリアお姉ちゃん」
そう声を掛けた途端、ピキリ、とエザリアの動きが固まった。
それこそ、鬼眼で麻痺や石化の効果でも受けたのではないかというくらいに。
そのまま30秒程が経ち、やがてギギギ、とまるで壊れたブリキ人形のような動きで再稼働を始める。
「……アクセル……」
まるで地獄の底から聞こえてくるような声を聞いただけで、エザリアが何を言いたいのかは分かった。
俺もまた、同じものを感じていたのだから。
「止めておこう」
「そうね、そうしてくれるとこちらとしても助かるわ」
お互いに短く言葉を交わしただけで、それ以上は一切言及しない。
俺としても、今のは有り得ないというのは自分で一番分かった。
もっとも、この姿の俺をアクセル・アルマーだと認識させないという意味では、ありと言えばありか?
……唯一にして最大の問題は、俺自身がこの役を演じきれるかどうかという事だ。
自分でやっていて、思わず地面を転げ回って暴れ回りたいくらいの、おぞましい感じすらしたのだから。
それを考えると、某真実はいつも1つのバーロゥ少年探偵は、よくもああやって子供を演じられると、尊敬すらする。
エザリアにしても、どこか得体のしれないような相手を見るような目でこっちを見ているんだが……混沌精霊本来の姿を出している時よりも、この子供の姿の時にそんな目で見られるとは思いもしなかった。
ただ、取りあえず気持ちは分からないでもないとだけは言っておこう。
俺にしても、こういう風な自分を傍から見るような事があれば、エザリアと同じような気分になるだろうし。
「とにかく、この姿なら俺をアクセル・アルマーと認識はされないだろうから、アメリカが行う恭順派の強襲作戦に参加してもおかしくはないな?」
「それは……確かにアクセルの言う通りに問題はないだろうが、それ以前に子供がこんな作戦に
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