第7話 霧の大敗北
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の怒りに似た表情で睨みつけているのを見たからだ。
あれが報告のあったメンタルモデルなのか、どうして見目麗しい少女の姿や美女の姿をしているものばかりなのかは横に置いておくとして、横目にチラっとこの艦隊の旗艦らしき戦艦が401の攻撃と思われる浸蝕弾頭兵器の閃光に晒されているのも確認、俺は俺自身の役割を果たすために彼女達へと向き直る。
「あいにくと育ちが良くないんでな、麗しのお嬢さん達を楽しませるような踊りを踊れない事は勘弁してくれよ?」
戦闘が終わった後にこの発言だけは猛烈に悶える事になる、戦闘中の興奮状態だからといえどもこんなセリフを吐くとか、誰かに聞かれていたら確実に黒歴史レベルだわ!
まあ、誰とも通信が繋がっていないから幸いと言うべき所だけどな。
この戦いは裏切り者を処刑する為だけのものの筈だった。
私の目の前で繰り広げられているのは、二個艦隊分の霧の艦艇より放たれる大量の千近くにもなる浸蝕弾頭兵器群、それの目標となっているのは裏切り者の潜水艦イ401、攻撃にさらされている彼女の姿はハッキリと言って裏切った物の哀れな末路と言う他にない。
『401も愚かね、あの存在が居る以上は裏切りなんてしたらこうなるのは目に見えていたのに』
「そうね」
本当に哀れと言うべくして他にない。
まあ、本当ならば第二巡航艦隊だけでイ401の処刑は行われるはずだったけど、あの存在【ブラックエンジェル】と人類側が呼称して私達も便利だから名前を使わせて貰っている存在、アレに対処しなくてはならないというのもあって、たかが巡航潜水艦の処刑であっても徹底的という数で持って事に当たっていた。
『ねえ、アタゴ』
「なに、お姉ちゃん」
『これだけの数が居れば、ブラックエンジェルに「勝てないわ」そう……』
だけど、ブラックエンジェルが出てきたら、少なくても今の霧じゃ勝ち目なんてない。
タカオお姉ちゃんを含めた霧の連中は正直に言って、あの存在を軽く見過ぎている。
私は見たのだ、アレが一方的に霧の第四巡航艦隊を殲滅する様を、当時の私は第二巡航艦隊所属であったが旗艦の命令により第四巡航艦隊へと出向する事になって現地へと向かったのだ。
そこで私が見たのは人類の言葉で言い表せば、一方的な蹂躙もしくは虐殺、そう言って良いくらいの一方的な戦闘、いいや、ブラックエンジェルの側は戦闘とも思っていないのかもしれない。
怖かった、黒い体に翠色のエネルギーの塊の翼の輝きが、私は近くで戦闘が終わるのを待って撃沈された者達のコアを回収して第二巡航艦隊へと戻り、この仔細を報告し霧の中でブラックエンジェルの対処レベルが上がったのも記憶に新しい。
「な、何これ!?」
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