暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第167話 冥界を司る女神
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に振った。

『……そのつもりは毛頭ありません。ただ、戦いの最中で、貴女がどんどん凄みを増し、鋭さを増した、こちらにまで伝わってくる集中力。何をとってもそうです。……それを見ていたら、戦う事よりも、楽しくなりましてね。……初めてお会いした時は、貴女には色々と荒削りな所が多かったですが』

 そう言うと、シノンの肩にやさしく触れた。

『その銃は、貴女にこそ 相応しい。強い意志を持った瞳を持つ貴女に。冥界を司る女神(へカートU)は貴女の物です。貴女が勝ち取って得た物です。……誇りなさい』

 シノンにとって、この時は本当に教師、教官の様に思えていた。最初の頃の感情に比べたら、随分丸くなった気がする。アバターは現実世界の姿をトレースした者ではない。だが、その精神は現実世界で受け継がれている物だ。だからこそ、この世界で鍛え上げれば、現実世界に還っていくと信じている。

 目の前の男は、現実世界でもこの世界でも、こうやって誰かを導く人なのだろう。
 誰かを支えてあげられる強さを持った人なんだろう。

 シノンはそう思った。そして、同時に知りたいとも思った。どうやったら、その強さが手に入るのか、と。

 だけど……。

『まぁ、例えそのヘカートUを装備した所で、今の貴女が私に勝つのは100年早いですが』

 にやりと笑う顔と共に、人差し指でシノンの額を軽く突いた。その言葉、そして軽めの一撃は、シノンの頭を突き抜けた。その一言が台無しにしたのだ、さっきまでの好印象の全てを。

『っっ! み、見てなさいよ! いつか、いつか必ず、この銃(へカート)を使いこなして、あんたのその頭、ふっ飛ばしてやるんだから!』

 軽くバックステップをすると まるで、子供のようにそういったのを覚えている。久しく無かった感覚だ。

『ほほ。……楽しみにしてますよ。ですが』
『?』
『私が此処に居られる時間も、少なくなってきましたので、あまり機会が無いかもしれません』
『なっ、勝ち逃げをする気??』
『そんなつもりはありませんが……良いではないですか。私以上のプレイヤーはこの世界には、ごまんとおりますよ』
『……そんなに居る筈無い。私が出会った中で、間違いなく最強は貴方』

 シノンは視線を細めつつそう言った。つまり、完全に認めたのだ。自分の中に秘めているだけでなく、相手に言ったのだ。

 確かに、他には? と訊かれれば 第1回BoBでの優勝者の事を思い浮かべる。……男の強さも一線を凌駕していたからだ。

 だが、その頃はまだまだ初心者(ニュービー)も良い所であったため、そこまで感じていなかったのだ。それなりに、強くなった今だからこそ、強く強く感じる。

『……なら、1つ、予言しておきましょう。もう直です、もう直に、
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