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俺が愛した幻想郷
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第十九話 少女にはキャンディを
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潜っていても、あの子は電気を消さない。大それた経験ではないが… 消していた覚えがなかった。カーテンもいつの間にか開いてるし。
恐らく暗いのが苦手なのだろう、だったら布団から出ればいいのに…

などと考えながら部屋の電気をつけ、右端にある机の横に配置されている白い箱を開ける。箱の中は冷たくびっしりとペットボトルが入っていた。
そう、さっき下で見た、紫に貰った冷蔵庫だ。
やはりテレポート能力はいい物だ。生身の人間には使えないので自分をワープさせることは不可能だが…

「寝ますか…」

(ねこ)がいないとちょっと寒いし寂しい気もするが、ゆっくり眠れるかもしれない。
それにしても何故いなかったのだろうか?

冷蔵庫の扉をゆっくりと閉め、後ろを振り向く…

「…へ?」

一度瞬き、そしてもう一度瞬き。

「…へぇ?」

今度は瞬きに加え目を擦る。

「へぇ!?」

三度と声を上げる俺を見ている、"黄色髪の少女"は、一度と瞬きもせずに目の前で俺を睨みつけるように見つめている。

「待て。いや、待てよ。いや待ってるよ?」

自分でも何を言っているのか、考えているのか、わからなくなり。取り敢えず、とその少女に近づいて見た。
少女のビー玉のような水色の瞳は、俺が動くと同時に動いた。俺の目に一点を集中させているらしい。何故にそこまで俺を見る… そんなに俺が面白いか?

試しに手を振ってみる。びくともしない。それどころか俺をガン見する目が痛い、馬鹿みたいに手を振った自分の痛さを増やす目だ。

<i3674|22014>

「な、なぁ、君はなんでここにいるんだ? そしてなんでそんなに俺を見る!?」

?をピクピクとさせて微妙な笑顔を作り、そう聞いてみる。しかし少女はひたすら俺を見つめたままだ。

「わかった! 迷子なんだな!?」

迷子でなんでこんなところにいるんだよ…

「一度…その目逸らしてくれないか?」

頭をぽりぽりと掻きながら、ニヘラと頼んでみる。瞬間、ほんの数秒、コンマ数秒。目を動かしてまた俺を見た。

「お前ウケ狙ってんのか!?」

なんの感情かは定かじゃないが、少々笑ってしまった。
どうすればいいのだ、そう考えているうちに落ち着き、その少女の服装に目がいった。服装と言える服装でもなく、見える範囲では白いワイシャツ一枚だ。
中に何か着ているとも考えられるが、胸元から覗く限り、中にはなにも着ていないようだった。

どう言うことだ? 冷静になって考えてみろ。
元々ここにいる住人としか考えられないだろう。いきなり現れて人の部屋を勝手に使われたらそりゃ怒りもする。それが今、俺の目の前にいる少女じゃないのか?
じゃあ、なんでこの少女はこんな服装なのだ。この服装が
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