第十幕その三
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「あの、戻られたのは聞いてましたが」
「はい、実は」
「調査で何かあったのですか?」
「まずはご挨拶から」
「あっ、そうですね」
日笠さんも言われて気付いてでした、それで。
まずは挨拶をしました。先生はそのうえで日笠さんに言うのでした。
「実は大事なお話でした」
「ここでは、ですか」
皆がいる事務室にはというのです。
「お話出来ないですか」
「はい、お願い出来ますか」
「わかりました、では客室に入りましょう」
日笠さんはこう先生に提案しました。
「そこでお話しましょう」
「それでは」
こうしてでした、先生はです。
日笠さんに動物園の客室の中に入りました、そこでなのでした。
二人でお話することになりました、そのお話を聞いてです。
日笠さんはまたびっくりしたお顔になってです、先生に尋ねました。
「あの、本当のことですか」
「はい、こちらが証拠です」
王子が取って来た写真とです、毛を出しました。
「写真と毛が」
「この写真は」
日笠さんはその写真を手に持ってまじまじと見て言いました。
「やはり」
「ニホンオオカミですね」
「狼ですね」
「そして、ですね」
「狼といっても小型で」
日笠さんにもわかります、このことは。
「それにです」
「はい、周りは日本の森林ですね」
「奈良ですね」
「勿論トリック写真と疑う人もいるでしょうが」
「この毛もですね」
日笠さんは毛も見ました。
「こちらも」
「そう思われるのならです」
「科学的に検証してもいいと」
「僕は是非にと言わせて頂きます」
「では間違いなく」
「はい、僕も会いました」
その狼さん達と、です。
「そしてお話しましたので」
「間違いないですね」
「はい、ニホンオオカミは奈良県と和歌山県にいます」
「その話は本当だったのですね」
「本当だったとは」
「実は以前から噂がありました」
ここで、です。日笠さんは先生に言うのでした。
「ニホンオオカミが生息しているとです」
「まだ日本にですね」
「そう言われていました」
「そうだったのですか」
「目撃話もありましたが」
「真相は不明だったのですね」
「ニホンオオカミの赤ちゃんが見付かったという話もありました」
日笠さんは先生にこのお話も紹介しました。
「ニホンオオカミのものではないかという糞も」
「毛が混ざっているうんこですね」
「ニホンオオカミは獲物を毛ごと飲み込むので」
つまり丸呑みにするというのです、飲み込める獲物ならば。
「ですからそうした糞になるのですが」
「そうした糞も見付かっていたのですね」
「そうでした、ですが」
「それでもだったのですね」
「確かな目撃例はありませんでした」
「それが、
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