暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第166話 2つの出会い
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落ちる事はなく、2km超の目標も狙撃する事が可能だとか。

 だが、ここは現実世界ではない。

 そんな条約もなければ、細かな条件などはない。数値的に決められた判定があるのみだ。

 これを手に入れたのは、……この銃と出会ったのは今から1ヶ月程前。
 GGOプレイヤーとしてそれなりにベテランの域に達した、と自分の中で勝手に思っていた頃。プライドを根こそぎ奪われる様な出来事があった為、自分を見つめ直す事も兼ねて、首都SBCグロッケンの地下に広がる巨大な遺跡ダンジョンにソロで潜っていた。
 その時の不注意からシュート・トラップに落ちてしまったのだ。

 ……また、件の男の顔が頭に浮かんだのは言うまでもないだろう。

 不注意だった、という点でもそうだ。
 だが、まだ自分は生きている、と精神を立て直して、先へと進んだ。シノンが落ちたその先は、現段階最高レベルの危険度を持つダンジョン。幾ら、クールに状況を見定め、行動一つ一つを考える……、と言っても限度がある。

 ソロでどうにかなる場所とは思えなかった。

 きっと最初のエンカウントであっさりと敗北し、町のセーブポイントに《死に戻り》するだろう、と覚悟しつつ歩いていたシノン。


――だが、ここで予想だにしていない事が起こった。


 その先には、広大なスタジアムめいた円形の空間と、そこに蹲る異形のクリーチャー、明らかにボスモンスターだ。そして、その異形クリーチャーに戦いを挑む人影。それも複数ではなく単独だ。通常では、この最高難易度のダンジョンでソロで潜る事などは考えられない。パーティーを組んでそれなりにアイテムも揃えてから挑むモノなのだ。……が、その定石をあざ笑うかの様な光景に、思わず息を飲むシノンだったが、自分自身の事を考えたらそうでもないか、と考えを改めなおす。
 今の自分も同じ状況なのだから。ここはやり過ごす事も視野に入れていたが、あの目まぐるしい戦い振りを見て、更にほんのわずかだが、シノンの中に生まれたゲーマー魂が大いに刺激された。

 異様な光景を目撃して、丁度10分程。

 あの手のボスモンスターの一撃なら、掠っただけでもそれなりに減り、そして直撃しようものならHP全損もおかしくない。だが、あの者はまだ生きて、戦い続けている。遠目でも判る。

 それは、間違いなく強者だと言う事。

 強い者を殺し、自分自身が変わる事を真の目的としてこの世界で居しているシノンにあの者の姿が映り、興味を更にそそられた。

 そんな時だ。

 ボスモンスターとプレイヤーを交互に見ていたら、スコープの視界から片方の姿が消えた。

 消えたのはプレイヤーであり、ボスモンスターは依然とまだそこに存在している。シノンは忙しなく銃を動かし、探したが見つけられ
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