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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第166話 2つの出会い
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今の様なやり取りが2割増になってしまったのだから。
そんな時、助け舟を出してくれたのが、ギンロウの横で座っていた武器メンテを軽くしていた緑色の髪の男が口を開いた。
「ギンロウさん、シノンさんが困ってるでしょう。リアルの話を持ち出すもんじゃないですよ」
「そうそう。向こうでもこっちでも寂しい独り身だからってさぁ?」
便乗して面白おかしくそう言うのは、更に向かいの男。
残弾数の確認をしていたのだろう、弾倉を幾らか並べながら、笑いながらそう言った。
「ンだよ! お前らだって何年も春が来ないくせに!」
自分がどう聞いても、バカみたい、としか思えない会話内容と笑い声。
そもそも今は戦闘前だ。
それもアルゴリズムで動く様な、時間が完全に決まっている様なMob戦ではなく、対人戦。
なら、それなりの待機方法と言うものがあるだろう。緊張感をほぐす為か?とも思えたが、それにしてはいき過ぎている。もうちょっと有意義な過ごし方があるだろう……と。
そして、自分に話しかけてくる男たちの大半にいえる事だが、出会いを求めてくると言うなら、もっとメルヘンチックな世界を選べばいい。ある時期を境に、このVR世界と言うものは無限に広がっているのだから、探すまでもなくそんなタイトルは幾らでも出てくるだろう。こんなオイル臭い世界で求める事自体が間違っているとさえ思える。
……シノンは、言葉にすれば数分は話せるであろう事を考えつつ、どうでもよくなり再びマフラーの奥に深く顔をうずめ、左手の指先でそっと傍ら待機させている大型ライフルの銃身をなぞった。
――今は仮初の仲間だけど、いつかこの銃であなたたちの仮想の身体を撃ち、吹き飛ばすときが必ず来る。……その後でも、同じように私に笑って声をかけられる?
言葉に発した訳でもない。胸の奥でそう呟いたのだ。ささくれた気分が、ライフルのバレルの冷たさに吸い取られる様に徐々に鎮まっていった。
そして更に20分後。
「――来たぞ」
周囲を警戒していた仲間の男の1人がメンバーにそう囁いた。メンバーの大半は、陽気に笑っていたが流石に敵が来たとなれば話は別。ぴたりとおしゃべりと笑いを止めた。
……場の空気が一気に緊張する。
そう、これこそが戦闘前の空気と言うものだ。シノンは、空を確認した。まだ 夜の闇は訪れておらず、赤みを増している段階。狙撃において、日時とは重要な要素だが、この時間帯はまるで問題ない。
「やれやれ、ようやくか」
小声で唸りながら、ダインは中腰で移動を開始。壁際にいた偵察役から、双眼鏡を受け取った。敵の戦力を把握する為に。
「……間違いねぇな。あいつらだ。 ん? ……7人か。先週より1人増えてるな。 光
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