暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第166話 2つの出会い
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》する可能性も高まるだろう。だが、それが戦闘というものだ。その緊張感の中でのみ、精神は、魂は鍛えられる。

 だからこそ……、以前の敗北はシノンの中に深く食い込んでしまったのだ。

 ただの敗北ならまだいい、その後にもあったが狙撃手としての心構えから悪い癖まで指摘、言われて教授される始末だ。それは、大いにシノンのプライドに触ったものだ。それこそが、プライドを傷つけられる、と言うものだ。

 そして、それも相手は狙撃手(スナイパー)と言う訳ではない相手に。

 その相手が使っていたのは、拳銃(ハンドガン) 《M1911A1》と《コンバットナイフ》のスタンダード。

 武器重量も軽量であるから、敏捷値が通常の値よりもブーストされているから そう言った意味では驚異的な速度となるだろう。

 ……だが、それは幾らなんでも武器が弱すぎる事もある。
 ハンドガンの中でも、最強クラスであるマグナム銃、《デザートイーグル》ならまだしも、だ。

 それに、この世界で主に使われているのは実弾銃は、機関銃(マシンガン)突撃銃(アサルトライフル)や、短機関銃(サブマシンガン)等々だ。

 そんな凶悪な武器が往来しているこの中で、拳銃(ハンドガン)だけでは心許なさすぎるだろう。

 ……そんな相手なのに、完敗を喫してしまったのだ。

 あの第一回 BoBを制した彼か?とも思えたが、以前サイトで見たその彼の容姿とは、全く違うから すぐにそれは否定した。

 そう、集中している間にも、色々と考えてしまっているシノン。

 それは、今の戦いの場においては邪念になる。
 だからこそ、僅かながら左右に頭を振り、そしてマフラーにさらに深く顔を埋めた。

 その時だ。

「……大体、Mob狩りばっかり揃えてるあいつらが、そうすぐに対人用の実弾銃を人数分用意できるわけないだろ? せいぜい、支援火器を一丁仕入れるくらいが関の山さ、……そいつを潰すために、今日はシノンに狙撃ライフルを持ってきてもらってるんだ。GGO一の狙撃手(スナイパー)。死角はねぇよ」

 いきなり自分に話を振られた。
 邪念を振り払おうとしていた時だったから、やや 邪魔だ、とも思ったが切欠として あの時の事を頭から消す事が出来た為、結果オーライだろう。とりあえず、シノンは顔をわずかに動かして頷いた。
 マフラーで口元は全く見えないが、しっかりと口を噤むシノン。

『会話に加わる意志は全くない』

 それは、雰囲気から判るだろう。
 シノンと言うプレイヤーが纏っている空気と言うか雰囲気は何時もこうだから、ダインは判っている様で、それ以上は何も言わなかった。だけど、アタッカーの男は違う。
 シノンに向かって、にっと、笑いかけていた。


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