暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第166話 2つの出会い
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「ったく、いつまで待たせんだよ……。おいダインよう、ほんとに来るのかぁ? ガセネタじゃねぇのかよ?」

 GGOでのギルドの事を指す《スコードロン》
 そのリーダーであるのが、《ダイン》と呼ばれている無骨な顔、ゴツゴツと大柄な体躯を持つ男が、肩から下げた大ぶりのアサルトライフルを鳴らしながら首を振った。

「奴らはこの3週間、ほとんど毎日のように同じ時間、同じルートで狩りに出ているんだ。オレが自分でチェックしたんだぞ。確かに今日はちょっと帰りが遅いけど、どうせMobの湧きがよくて粘ってるんだろ。そのぶん 分け前が増えるんだ。文句言うなよ」
「でもよぉ」

 前衛の男は、尚も不満そうに口を尖らせた。その理由は勿論ある。

「今日の獲物はたしか先週襲ったのと同じ連中なんだろ? 警戒してルートを変えたってことも……」

 その事なのだ。
 先週の同刻・同場所で、今待っている連中を襲撃したの事にあるのだ。
 即ち、『一度痛い目に見れば、学習するのでは?』と。

「前に待ち伏せてからもう6日も経ってんだぜ。それからも、あいつらはずっと同じ狩場に通ってるんだ。奴らはMob狩り特化スコードロンだからな」

 ダインはそう嘲るように笑いながら言った。そう、これも裏付けがあったからこそなのだ。

「何度襲われて、儲けを根こそぎにされても、それ以上に狩りで稼げればいいと思ってるのさ。オレ達みたいな対人スコードロンには絶好のカモだ。おと2,3回はこの手で行けるさ」
「でもなぁ……、信じられねぇな。普通、一度やられれば何か対策をするだろ?」
「翌日くらいなら、警戒をしたかもしれないが、すぐ忘れたんだろうさ。フィールドMobのアルゴリズムは毎日一緒だからな。そんな狩りばっかしてるとそいつらもMobみたいになっちまうのさ。プライドの無ぇ連中だ」

 彼らの話の内容が嫌にでも耳に入ってくる。やや昂ぶっていた気も覚めてゆく。

 非常に不愉快な内容だからだ。
 
 だが、そのおかげもあり元の自分を取り戻す事が出来た様で、一層深くマフラーに顔をうずめた。そう、感情の起伏は、トリガーを引く指を鈍らせるのだ。

 ……でも、そう判っていても賢しらに語るダインへの苛立ちというものが心の中に沸き起こる。

 ルーティンワークの様に、Mob狩りに特化したパーティを嗤い、自らをPvPerと誇る割には、そのパーティーを何度も待ち伏せて襲うことにプライドは傷つかないらしい。正直、こんなニュートラル・フィールドで何時間も費やすくらいなら、地下の遺跡ダンジョンに潜って、ハイレベルのスコードロンと一戦交えたほうが、実入りは格段に増すだろう。

 無論、敗北をする可能性も格段に増す。

 地に伏し、装備をドロップして街に《死に戻り
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