暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第164話 何よりも安全第一で
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ぁ、リュウキ君の気持ちは判るよ」

 菊岡も大体察した。

 基本的に、この手の犯罪は決して無くならない。
『働き蟻の法則』や石川五右衛門が残した辞世と伝えられる歌にある『浜の真砂は尽きるとも世に盗人の種は尽きまじ』 この世は、それらが示すとおりだ。決して無くならないのに、行動を、対策をしている。矛盾、と言われるかもしれない。でも世の中と言うものは、矛盾だらけなのだ。その中で、必死に足掻くしかない。

 菊岡自身も自問自答をする時だってあった。それでも感情を抑制しているのは、菊岡がリュウキよりも大人だからだ。

「……っと、私怨に似たモノは置いとくよ」

 だが、勿論リュウキも、もうそこまで子供ではない。彼もまた、経験を積んできているのだから。……時折子供の表情が出てしまうのはご愛嬌で。

「頭の痛い事ばかりじゃないと思うけど。聞いた話によると相模湾沖に希少金属の巨大鉱床が見つかったんだろう? 色々とこっちにも情報が入ってるよ。官僚達が大分喜んでる、と」
「あははは……、ま、そうなんだけどさ? 僕が入った総務省は無関係だし、勿論防衛省もね。だから当分回ってこないって思うよ」

 菊岡は、苦笑いをしながらそう言う。本当に色々と知っているんだね。と半ば呆れもしていた。

「さて、話を戻すけど、往来している事件の話さ。まぁ、全国で起きる傷害事件とか、強盗・窃盗事件の中では微々たる数だし、君が好んでいるあの世界、VRMMOが社会不安を醸成してる、なんて短絡的な結論は出ないだろう。……だけどね」
「VRMMOゲームが、現実世界で他人を物理的に傷つけることへの心理的障壁を低くしている。その件は、キリトとも以前色々と討論を交わしたけど、結論を言えばキリトもオレも同感だし 認めている」

 そう話をし、テーブルに用意されたハーブティを口に入れた。菊岡も、リュウキに続いて口に含む。

「無数に生まれたVR世界。その中の一部はPK行為が当たり前。日常化している。……ある意味では、現実的殺人の予行演習だ。 体感型ゲームになる以前でも 昔ニュースでもよく上がっていたらしい。犯罪を助長するって。……これはその比じゃない。実際に仮想世界に入って、自分の体でその行為に及ぶんだから」

 リュウキは一息置くとつづけた。
 
「まぁ、それは安易な考えだと思う。実際には昔から統計を取ってるらしいけど、暴力が日常化されたゲーム、そのメジャータイトルが発売する事によって、犯罪率が減少されているという結果もあるから」
「ああ。それについては、僕の方でも持っているよ。 ゲームをする事によって精神的ストレスを解消される。だから減少しているんだろう、って結論も出ている。それで終わり、って訳じゃないけどね」

 そう、実際にゲームを真似て現実世界で
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