暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 〜黒の剣士と神速の剣士〜
SAO:アインクラッド
第13話 神速の剣技
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硬直《スキルディレイ》が課せられる。
だが、それは1秒もない、一瞬といっていいほどの短い時間だった。
だが、その一瞬が仇となった。
なっ!?
ボスはその一瞬の間に右の拳を握り、腕を振りながら回転した。所謂裏拳だ。
あまり防御が出来ずまともに攻撃を喰らい、壁まで飛ばされる。
「くそっ、ミスった」
俺は毒づきながら剣で体を支えて立つ。
HPはレッドゾーンに入っていた。
すかさずポーチから回復結晶を取り出し回復する。
そうしている間にボスが近づき拳を振り下ろす。
俺は素早く避けるとボスに向かって走る。
「わいらも行くで!!」
不意にボスの後ろから声がする。
その直後、キバオウ率いる軍の連中がボスに攻撃をしかけた。
だがそれは無謀だった。
スイッチする人数もいない。HPは中途半端に回復したまま。そして、麻痺から回復した軍の連中が次々に入る。
自殺行為といっていいほどのものだった。
「何をしているんだ!今は体勢を立て直すのが最優先だろ!一旦下がるんだ!」
「そうわさせへんぞ!美味しいとこばっか取れると思うな!」
「なっ……」
絶句するしかなかった。
何を言っても伝わらないとわかったからだ。
自殺行為だそ。あいつはわかっているのか…
そう思っていると横からキリトが現れた。
「カゲヤ、大丈夫なのか。あいつら」
「自殺行為だ。だが、あいつらが聞く耳を持たない以上俺たちはどうすることも出来ない」
「まずは体勢を立て直そう」
「あぁ」
俺とキリトはアスナ達の元へ戻る。
アスナ達は壁ぎわまで下がり、指示を出していた。
「アスナ。隊は組めそうか?」
「うん。なんとか大丈夫だけど……少し厳しいと思うわ」
俺はボスを見ながら言う。
「あとゲージが2本だからなんとか切り抜けられるだろう」
「それと、ここからはカゲヤ君に指揮をとってもらいたいんだけど…」
「わかった」
俺は少し前に出るとプレイヤー達を見て言う。
「ボスの攻撃パターンは、ほぼランダムになったが防げない事はない。そして、ブレスはモーションが異常に速くなったから、ボスが上体を反らしたらすぐ防御態勢をとればなんとかなる。ゲージはあと2本だ。このまま削りきるぞ!」
俺はボスの方へ向くと叫んだ。
「行くぞ!!」
『おおぉぉぉお!!』
キバオウ率いる軍はボスの右側から、俺たちは左側から攻める。
俺はボスに攻撃しながら指示を出す。
「拳の叩きつけ、B隊ガード!」
ボスが拳を地面に叩きつけるのと同時にまた叫ぶ。
「ハンマーの振り下ろし、全員後方に下がれ!」
ボスがこぶしを引くのと同時にハンマーを振り下ろす。
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