暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
Extra Edition編
第161話 Debriefing vol.5 & クジラに会いたい
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 意味深に笑うリュウキ。
 それを見たリーファは、ぎゅっと拳を振り上げ、水面を叩いた。

「……わーーっ! リュウキ君がSだっっ! やっぱり、Sだっっ!! もーレイナさんに言っちゃうよっ!!」
「……すまん、ちょっとからかった」

 リュウキは頭をかきつつ、レイナの方を見た。まだ、楽しそうに遊んでおり、どうやらこっちには気づいてない様だ。

「もー、レイがヤキモチ妬いちゃっても知らないよ? ……っと、そうだ。ねぇ、リュウキ君。あのダンジョンだけど、正確にはどの位の深さなんだっけ? 正直な所」

 アスナは苦笑いをしつつそう聞いた。リュウキは、軽く頭を掻いた後。

「ん。深い所で大体水深110m。……ダンジョンの入口の神殿付近だったら、約100m位だったな、確か。海溝付近は、到達不能地点だから、そこに降りたら、恐らくだが死ぬ様に設定されているだろう」

 細かな地形図はある程度作成されており、地図も売り出されている。細かな水深は、多少の誤差はあるが大体地図と同じだ。それに加わるのが、リュウキの観察眼。普通な状態の目でも、正確に頭の中で数値かできる様だ。……その内、暗算で関数計算出来たりする?

「うっっ……ひゃっひゃく……」

 そのリュウキの言葉を聞いたリーファは青ざめてしまうが、すぐさま両頬を両手で叩いて気合を入れた。流石は体育会系女子である。

「大丈夫か?」
「が、がんばりますよっ! ……だって」

 リーファは、視線を遊んでいる皆の方に……、その中にいるユイに向けた。

「ユイちゃんの為ですもんね」
「……そうだな」

 リュウキも同じ気持ちで、にこやかに笑った。ユイは家族だ。あの娘が笑ってくれるだけでも嬉しいから。

「ふふ、ありがとう」

 アスナも笑顔でそういった。そして……。

「リューキ君っ! おそーい!」
「ああ。悪い」

 レイナがいつの間にか、あちらから外れてこっちに来ていた。

「レイー! リュウキ君のSっぷりがとうとうリーファちゃんにまできちゃってたよ〜?」
「……っ!」
「ええっ!!」

 まさかのアスナの暴露にリュウキは表情が引きつっていた。

 ……その先。少しレイナは拗ねてしまって、ご機嫌を取るのに少しばかりかかってしまった。因みに、いつもの言葉を言えば、全て会心の一言……だけど、公衆の面前で言うのは流石に恥ずかしくなってきたと言う事もあるから、時間がかかってしまったのだ。以前リズが言っていた、小っ恥ずかしい〜云々を臆面も無く〜は、流石に影を潜めてしまっている。(……と言っても傍から見たら十分バカップル!)
 だが、その恥ずかしそうにしている2人を見るのも何気に楽しい(嫉妬も当然あるが……)から、からかうネタは尽きないのである。
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