暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
Extra Edition編
第159話 Debriefing vol.3
[8/24]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
様に四角く、血のように赤黒い刃を自身の舌で舐めとりながら、切っ先を一瞬こちら側に向け、そして姿を眩ませた。
――……そう、この時に、あの男を始末していれば、あの様な惨劇は起きなかった。
そして、後の全面戦争も、起きえなかったんだ。それが、失態だった。だが、如何にリュウキもこれまでに殺人を犯した事はない。戦いの中で、HPをレッド近くまで削ったりはしたが、どうしてもその先まではいけなかった。それは他のメンバーも同じだった。
この時、撤退をした事は双方にとっても良かった事だった。
だがPoHや幹部の連中はこの時に理解した。……手を血で染める覚悟の出来ている者はいないのだと。
だが、それでも白銀と漆黒の2人を相手に、他の攻略組の連中も少ないと言う情報はあっても、それなりに無理があったから、撤退をとったのだ。
これが後に全面戦争をする序章の戦いである。
そして、次の戦い。
笑う棺桶が拠点にしているアジトを攻める。作戦を立てて、一網打尽にするつもりだった。全員をふん縛って、監獄エリアに叩き込む為に。
……そこで、彼が、大勢のプレイヤーが命を落とす事になった。
死神
(
・・
)
の鎌に致命傷を負わされ、そして……動けなくなった所で他のプレイヤーにトドメをされた。
魂が四散するその瞬間をリュウキは視てしまった。そのまるで時が止まったかのような刹那の瞬間。リュウキの眼が赤く染まった。これまでよりも、ずっと赤い。
血よりも赤い色に。
その姿のまま、
笑う棺桶
(
ラフコフ
)
のメンバーを屠った。
無感情に、その命を奪うことを躊躇せずに。
その姿を見た連中が連想させたのが、《鬼》と言う形容。即ち《竜鬼》と言う異名が生まれた瞬間だった。
「……」
あまり思い出したくないのは事実だった。だが、その十字架を背負い生きていくのも生き残った者の責務だ。完全に忘れ去る事なんかできる筈もないのだから。
「それに、犯罪者プレイヤーだけじゃなく純粋な剣技を競う決闘でも、オレは何度も苦戦した」
キリトは、話を変える。
犯罪者たちの話から、あの男の話へと。当時、二強として上がっていたプレイヤーの名の1つ、血盟騎士団・団長《ヒースクリフ》との決闘だ。
堅牢な盾を持ち、圧倒的な防御力を誇るユニークスキルは《神聖剣》。キリトの同じユニークスキルである《二刀流》を用いて、渡り合ってはいたものの……その決闘の最中に不可解な現象が起こり、キリトが敗北する事になったのだ。
「その凄腕のプレイヤーの頂点がギルド 血盟騎士団の団長ビースクリフだったんだね?」
「ええ」
キリトは頷いた。リュウキも同じく。
「それにしても、キリト君は戦ってリュウキ君が戦わなかった理由は
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ