暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
Extra Edition編
第159話 Debriefing vol.3
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筈なのだ。メンバーは4人。位置情報を確認してみたら、4人中3人の反応が消えてしまっていた。ついに、トッププレイヤーである攻略組もその毒牙にかかってしまったのだ。

 それを見て、奮起したのがシデンだった。

 攻撃部隊のメンバーの命を預かる身である彼は、責任感も正義感も強い。だが、十分に戦力が揃っていないのも事実だった。最前線の大掛かりな攻略にも乗り出しているし、それは合同のモノだったから、全体メンバーが少なく現在の戦力が著しく低下している。このタイミング。それは恐らく偶然じゃないだろう。

 4人中3人も殺された。

 ……もう、最後の1人が何時殺されてしまっても不思議じゃない。生死を共にしてきた戦友達が殺されるなんて、みたくないのは皆同じだ。

 シデンはせめて、救出をと考えていた。

 敵の把握出来ていないし、確実な作戦を練る時間も少ない、状況は最悪だったが、その場の会議で首を横に振る者は誰ひとりとしていなかった。

 ……そして、66層スカルナイトの古城迷宮エリアで、最悪な出来事が起きた。

 人質に取られた、聖龍連合の生き残り。
 敏捷値(AGI)一極上げしたプレイヤー達のMPK、そして待ち伏せの合わせ技。

 何よりも最悪だったのが、殺人ギルドの幹部達が数名、現れていた事。……殺人ギルドのトップであるPoHが現れたと言う事。

 それが、PoHの初邂逅だった。

 人質を取られ、動きが取りにくい状況だったが 想定はしていた事だった。全滅よりはマシだと言う事で、攻性に出ようとした所で、意図的に連れてこられたモンスターが乱入。事態は混乱を極めた。

 それでも、幹部達がいても地力でまだ勝っていた攻略組。キリトやリュウキもいた、と言う事もあるだろう。

 一対多数に慣れているプレイヤーが2名いると言う事。戦力が落ちている筈なのに、全てを視られ、的確な指示を出され、反撃をされたと言う事。

 それが、ラフコフの誤算だった。逃げの一手を測るラフコフ。……この時、リュウキはあの男の顔を視た。その危険な思想の持ち主を。劇毒じみたアジテーションによって、多数のオレンジを誘惑し、洗脳し、狂気的なPK集団《笑う棺桶(ラフィン・コフィン)》に派生させた張本人の男を。

――……彼の眼には、あの男が同じ人間には映らなかった。

 こんな者がいていいのか?とも思える程の狂気を内包させているかの様な眼。デジタルで構成された筈のアバターなのに、嫌にリアル染みて見える狂気の眼。だが、それで臆する様なプレイヤーでは、攻略組では、最前線では戦えないだろう。撃退をした攻略組。

『……次は無い』

 その言葉と共に、PoHに切っ先を向けるリュウキ。それを見たあの男……PoHは、ニヤリと笑った。その中華包丁の
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