暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
Extra Edition編
第159話 Debriefing vol.3
[19/24]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
言えるヒースクリフに勝利した。そうじゃ無かったのかい?」

 事実は小説より奇なり、とはよく言ったモノ。あの戦いの結末はそんな単純なものじゃなかった。リュウキは、ただただ俯いている。キリトは、本当の事を言いたかった。結論から言うと、確かにあのヒースクリフに最後の一撃を、とどめの一撃を入れたアバターは、自分であるキリトになっている。だが、その事実は違う。

「……あれは違います。そんな簡単な事じゃないし、説明しにくいですよ」



 あの戦い。

 本当に死を覚悟した。

 理を捨てて、信念に本能に従って、ヒースクリフと一騎打ちをしようとした。だから、最後に言葉を残そうとしたんだ。自分が生きた証。それを仲間達に伝えてから、……逝きたかった。
 己の命を捨てて、特攻をかける。それに全てをかけるつもりだった。


――だが、そのキリトの目論みはあの男に、バレてしまったんだ。


 突如、キリトとヒースクリフしか動けない筈なのに、その間に雷鳴が轟き、そして落ちた。比喩とは思えない現象だった。その中から、あの男が……、リュウキが出てきた。

『……あんな言葉を吐き出す奴に、最後を任せられないと言ったんだ!』

 初めて、リュウキに叱られた。心から叱られた。キリトは そう、感じた。

 そして、魔王の前にたった勇者が変わった。いや、自分は勇者なんかじゃない。仮初の勇者、メッキの勇者だ。真の勇者が魔王に向かう。

『ラストバトルだ』

 そう、口にして。


 リュウキとヒースクリフの戦いは圧巻の一言だった。強者と強者の決闘と言うものを、これまでに見た事が無いわけじゃない。だが、それでも、それを天秤にかけたとしても、この戦いの前には軽すぎると思わざるを得ないのだ。

 リュウキはヒースクリフには知りえぬ武器、《双斬剣》

 刃が2本備えられた異形の剣。それを用いて、確かにヒースクリフを追い詰めた筈だった。

 だが、彼のスキルの全てはシステムに頼っていない。

 ……全てを己の脳で制御していたそれが祟ったのか、リュウキは失速し始めた。ヒースクリフの攻撃を捌ききれずに、どんどんHPが削られていく。仲間たちが、愛する人が心配する中、リュウキは笑った。ヒースクリフは、最後に教えると言う。

『どんなに足掻いても守れぬものもある事を!』

 圧倒的なスキル神聖剣。
 それを用いた攻撃は甚大。だが、それでも、リュウキを止める事は出来なかった。

『大切じゃないものなんか無いんだ。……全て、全てを守ってみせる!』

 その覇気が広大なBOSS部屋に響き渡る。そこから始まったのが、正に神業だった。魔王であるヒースクリフの体を宙に打ち上げ、キリトの剣撃、アスナ・レイナの剣速。それをも超えてい
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ