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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
第百十八幕「そして世界は私を裏切った」
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なロシア貴族が付けてそうなティアラの形だっけ?」
『確か形状はランダムにしてたと思いますけど……チカ様、これを佐藤様につけさせようとしてたんですかぁ?女としてヒきます』
「肉体無いだろお前は!……まぁいいや、形は変えておくよ」

 一先ず設定を弄られたアルキミアは金の腕時計型になって帰ってきた。
 なんとなくこれをつけていると復讐に生きるぼさぼさ髪の刑事とインテリ眼鏡ヤクザに「先生を殺したのは誰だ?」と詰問されそうな気がしてくる。IS操縦者ヲ裁クハ我ニアリ、みたいな。まぁティアラよりはマシだけど。あれを装着したら言い逃れようもなく成金だからね。

「で、ええっと………つまり君は『私の世界にはISなんてなかったのにこの世界にはある。つまりお前は信用できない電波野郎だ!今すぐ目の前から失せろクズが!』と、そう言いたいわけだ」
「そこまで口汚く言ってませんよ!?私そんな罵詈雑言製造ガールじゃありませんから!!」
「ふふふ、最初に辛辣に扱われた仕返しさ」

 くっ……精神年齢的には向こうが上なのか、微妙に翻弄されてる。なんか悔しい。
 でもいう事聞いちゃうしかないよね。話進まないし。こういう時情報弱者は辛い……。

「さて、ISがこの世界にある理由だったね………もちろん、明確な訳がある」

 指を組んだチカさんがにこっと笑った。

「そこはそれ、簡単な話でね………君だけ例外なんだよ。多分、君の視点から見ればこの世界の住民はみんな創作の登場人物に映っているのかな」
「ッ!!」

 どうしてか――その言葉は、深く私の心を抉った気がした。
 友達はみんな、小説の世界の登場人物。だから呑気に見物もするし、見知らぬ人と接するときの不安も大してない。両親とも完全に打ち解けられないし、どこか事態を他人事のように捉えている。
 そんな曖昧な存在である佐藤稔という人間を揺さぶる言葉だった。

「世界は沢山ある。人型機動兵器が宇宙を飛び回る世界もあれば、そうでない世界もある。『α』から繋がるこの『β』の世界には、君がいた世界と違ってそういう技術的な因子が多く受け継がれている。故に、インフィニット・ストラトスなんて出鱈目なスーツが存在している訳だ。君の世界でISが何だったのかは知らないが、察するに若者向けのアニメや漫画みたいなものとして存在してたんじゃないかな?」
「……正確には、ライトノベル……小説でした」
「そうか。……あ、別に責めたりしてる訳じゃないんだからそんなに落ち込まなくてもいいって」

 落ち込んでるのはまぁ、友達をそういう目で見てた私自身への自己嫌悪だけど。
 しかし、今まで聞いた所では謎が明かされているようで全然明かされていない気がする。
 主に他の転生者の事と、私の転生が例外であるという点……そして私の転生
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