暁 〜小説投稿サイト〜
【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
第百十八幕「そして世界は私を裏切った」
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『誕生→膨張→滅亡』の3つの段階をひたすらに繰り返すことで存続しているんだ。俺達の宇宙が滅びると、この世界にあった可能性は次の宇宙の誕生に受け継がれる。そうして因子は少しずつ次へ、次へ……親から子へと受け継がれるようにして世界は存続してる訳だ」
「あの、念の為確認しますけど………やっぱり大宇宙の電波みたいなの受信して」
「ないってば!!」

 おまえはなにをいっているんだ。唐突に宇宙の死と新生についてさも本当の事のように喋り出す男にドン引きである。やっぱり博士って危ない人だったみたいですよオクサマ。嫌だわ全くもう。織斑先生ってば苦労したのね。
 でも、私の訝しげな目線に気付いた博士が話題を転換して空気が一変した。

「…………言い方替えよっか。前の宇宙から、稀に『記憶の因子』を受け継ぐ人がいるんだよね。所謂、前世ってやつ?」
「……………………………………………」
「や、キミ結構分かりやすい子だよね。そんなあからさまな沈黙見せたら『それは私だ』って言ってるようなものだよ?」

 悪戯っぽくくすくす笑う博士に、私は呆然とした。

 博士の口から「前世の記憶」なんて言葉が、しかも私に向かって語られるとは予想外もいい所でしょ……っていうか、え?え?つまり、私の前世の記憶って………ちゃんと理由あったの!?そこが一番衝撃なんですけど。

「『虚憶』って言ってね?察してるかと思うけど、俺もそうなんだ。他にも君の周囲には『虚憶』持ちが何人かいるよ?」
「確かに何か知ってる風な人いましたけど……主にまやちーとかスーパー鈴ちゃんとか」
「あ、鈴ちゃん自身は違うよ?」
「違うんかい!」

 しかし、開始早々ぶっ飛んだ話が出てきたことに驚きを隠せない。
 まさか転生者が自分以外にもいるとは……そんな人見かけなかったからてっきりいない物と思ってたよ。今まで何度か探したこともあったんだけど見つからなかったし。
 思い込みって怖いなぁ……完全に盲点だった。

(ん?でもちょっと待てよ?この世界って、私の知ってるラノベと限りなく近いんですけど……私の記憶が正しければそんなものは実在しなかった筈……)

 そう、ここが矛盾している。宇宙が親子のように引き継がれていくなら、この世界はやっぱりISなど無い普通の世界じゃないとおかしい。創作としてISと類似した作品があったとしても、そのISが実物化するのはあり得ないことの筈。

「異議あり!!貴方の発言はこの証拠品とムジュンしてます!……くらえ!!」

 私は大きく息を吸い込んで、懐から待機形態のアルキミア――何故かロシア貴族とかが付けてそうな豪奢なティアラをツンツン髪の弁護士ばりに突きつけてみた。

「おお、これは待機形態のアルキミアじゃないか。………あれ、コイツの待機形態ってこん
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