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Fate/Monster
バーサーカー差し替え編
フランドール・D・A・B・H・ヴィクトリアの場合
#01
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下のコストで賄えねばな」


 唖然。

 まあ、大まかな間桐の魔術を不本意ながら学んだTYPE-MOON(この世界)の魔術師たる雁夜からすれば魔術にはバカみたいに金や手間が掛かるという認識が既に当たり前になっていた。
 そこへ来て、異世界の魔術の便利さを聞き、唖然とするだけで済んだのは、一重に魔術の世界にドップリと浸かっていなかったからだ。コレを聞いたのが遠坂時臣やケイネス・エルメロイ・アーチボルト辺りなら卒倒するか一蹴するかのどちらかである。どっちがどの対応をするのかは想像に難くないが、ソレは扠置き、だ。


「さて、どうする? 私としては、最後を推奨するぞ?」


 間桐雁夜は思案する。魔術は嫌いだ。相手の意思を無視して蟲を大量に用いて凌辱し、魔術特性を強引に改造する。そんな、魔術師の中でも嫌厭される手法を用いる魔術しか知らず、また魔術師も、外道という言葉すら生温い間桐の家に娘を養子に出した遠坂時臣と、戸籍上の父であり下衆の極みたる間桐臓硯と、十数時間前に家出した兄の間桐鶴野だけである。

 それを踏まえ、雁夜は数分考えた。そして考えた後、絞り出した声でフランに告げた。


「…………頼む、オレに、お前の世界の魔術を教えてくれ。桜ちゃんを他の魔術師や封印指定の執行者とかから守り抜けるくらいになるんだッ。だから、頼むッ」


 そう言って深々と頭を下げる雁夜。それを見たフランは、口元に薄らと笑みを浮かべた。


「いいぞ。貴様は見知った少数を救う為に見知らぬ多数を斬り捨てる事の出来る人種の様だ。見知らぬ多数を救う為に見知った少数を捨てる偽善者なんぞより余程良い。
 先ほど、私の手を借りようなどと考えるなと言ったが、アレは忘れろ。貴様の敵は私の敵だ。手を貸すがいい無名の魔術師。これより先は、私がお前の剣となろう! 先ずは私の世界の魔術のイロハから教えてやる。貴様は自身を凡俗と思い込んでいるみたいだが、そんな貴様にコレよりの指針を一つ教唆してやる。凡俗であるなら数をこなせ。才能がないなら自信をつけよ。吸血鬼になったところで、所詮君は生まれたて。ならばコレよりは先の指針を掲げ、魔術の体得に全霊を注げ。聖杯戦争や魔術師関連の事象は、君が私基準で一人前になる迄は私がなんとかしてやる。
 さて、無名の魔術師よ。最後に一つ、様式美の確認事をこなすとしよう。我が名はフラン、フランドール・D(ドラクレア)A(アーミティッジ)B(ブリュンスタッド)H(ハートアンダーブレード)・ヴィクトリア。モンスターの(クラス)を得て現界し、受肉してほぼ完全に独立したサーヴァントだ。魔術師、貴様が私を喚び出したマスターか? 是であるならば、私に名を教えよ」


 沈黙、唖然
 先程とは540°違う、穏やかな表情、
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