第三十四話
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かちな奴ね、お前のお友達は」
「そうだね……」
漆多が話す向こう側からは、彼以外の気配が明らかに感じ取れた。もはや確定的だ。漆多は拉致されているということが。
俺は少し考える。
「シュウ、何をしているの? どうせ馬鹿なことしか考えてないんでしょうけど」
「馬鹿って……。あきらかな罠だから、どうしたものかって思っているんだよ。漆多は明らかに誰かに脅されて俺に電話をしてきている。敵は何者か、何人いるのか分からない。おまけにそいつらは準備万端だからね。どういった対策を取っているかわかったもんじゃない。無策のままでいったらヤバイかなあって考えるだろう」
王女は不思議そうに俺を見る。
「何を言っているの? たとえ何人いたってお前の力ならそんなのは物の数に入らないだろう? 所詮人間だ、相手にならない。さっさと行って虫けらのように全員ぶちのめして、友達を救出して帰るだけだろう」
「でも、漆多が人質に取られているんだ。万一ってこともありうるよ」
「それならお前がやり合っている間に私が救出してやろう。式鬼を使えば人間ごとき皆殺しだ」
そう言って王女は俺に買わせたフィギュア2体を見せた。
ヒーローものの主人公のキャラクターとライバルのキャラクターだ。どちらもヘルメットの様な仮面をつけてぴっちりとした戦闘スーツを着込んでいる。そして右手に刀を持っている。いわゆる光剣だ。腰のホルスターには銃まで持っている。
こいつらが王女の魔力でサイズアップし、動き出すというのか。如月と戦った時のポ○モンキャラクターより明らかに強そうだし、凶暴そうだな。
「了解。何かあったらフォローを頼むよ。……じゃあ行こうか」
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