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Dies irae~Apocalypsis serpens~(旧:影は黄金の腹心で水銀の親友)
プロローグ ラインハルトの腹心(注:実在します)
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かった同じ部隊の仲間達は目の前で撃たれて死んだ。唯一戦場での経験のあった隊長も砲弾に巻き込まれ死んだ。残っているのは自分だけ。その現実に恐怖する。

《ならどうするんだ?君は特別でも何でもないだろ?》

決まってる。此処から逃げたい。生き延びたい。もうこんな所から一刻も早くこんな現実から|逃げ出したい(・・・・・・)。

《いいだろう。その願いを叶えてあげるよ。凡そ最悪の形で》

その瞬間クルツは疑問に思う。一体誰が話しかけてるのかと。そして悪寒を感じ後ろを振り向くと……そこには得体の知れない()がいた。

「う、うああぁぁー!」

言われもないその影に恐怖し此処が戦場であることにも関わらず走り出す。



何時まで走り続けただろうか?億劫になりながらも、ふと回りを見渡してみると気付いた。静か過ぎる、と。いくら彼が恐怖を感じ現実から逃避したからといっても現実がなくなるわけではないのだ。なのに何も|見えず(・・・)、何も|聞こえなかった(・・・・・・・)。いやそもそも此処は何処だ?俺は何のために生きてるんだ?そもそもオレハナンナンダ……

「あ、ああ、ああああぁあぁぁああ!!!???」
「わああぁぁあぁ!」
「おい馬鹿!撃つな!?味方だぞ!?」

その戦場は唯でさえなかった秩序を狂わし混沌と化していた。



******



「Mit schwarzer M?tze, Totenkopf (黒い帽子に髑髏と)
und silberwei?en Schn?ren, (白銀の飾り紐。)
so sieht man heut landauf, landab (今日人々は各地で見る、)
die braune Front marschieren; (褐色の前線が行進するを。)
wir sind der Freiheit letzter Hort, (我等は自由の最終保護者、)
sind mutig, sturmerfahren, (雄々しく前衛にたち、)
verlachen trotzig feigen Mord. (臆病な殺戮に抗して笑う。)
Wir sind die schwarzen Scharen. (我等は黒い小隊。)
Valleri, vallera, valleri, vallera, (ヴァレリ・ヴァレラ)
Wir sind die schwarzen Scharen. (我等は黒い小隊だ。)」

独り軍歌を歌い酔いしれながら戦場で歩く。傍から見れば自殺行為だろう。しかし誰も気に止めない。気にすることが出来ない。彼の周りの人は全て狂ったように叫ぶだけだった。
この場にいて狂わないのは黒円卓に連ねる者達だけだった。SSも連合軍も赤軍であろうとも彼の周りは阿鼻叫喚の地
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