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千剣士と竜使い
第一話、始まりの町
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「おいおい……やりたくないんだけど……」

「何ごちゃごちゃ言ってやがんだ!」

「やっちまえ!」

怒声と共に振るわれた片手斧がリュウに振るわれる……

筈だった!

キィンッ!!

リュウの持つ短槍が男の片手斧よりも早く閃き、弾かれる。弾かれた片手斧は暫く空中を回りながら飛び、吸い込まれる様にリュウの左手に収まり、リュウはそのままストレージに入れた……

"武器落とし(ウェポン・ドロップ)"……リュウがβテスト時に編み出したシステム外スキルである

其を見た男達は一瞬ぽかんとするが、次の瞬間リュウを睨み付け、

「この野郎!」

「ぶっ殺せ!」

怒鳴りながらリュウに襲いかかる

其に対してリュウは

「よっ、ほっ、せいっ、あらよっと」

攻撃を軽々と避けながら、武器落とし(ウェポン・ドロップ)を行い、奪った武器を自身のストレージに入れる……

本人曰く、「他のプレイヤーに迷惑をかけるようなプレイヤーに慈悲はない」……とのこと

リュウは数では不利にも関わらず、男たちの攻撃をまるで舞うようにかわし、武器を弾き、奪っていく……

それはまさに『圧倒的』といって良い光景だった

「な、何だよこいつ!」

残った内の一人が怯えた声を出した

しかしこの状況は当然と言える。リュウは……いや、竜は九重家の養子になるまでは施設で人を殺す術を叩き込まれ、養子になってからは龍也をはじめとした"化け物(←失礼)"を相手にしてきた

おまけにリュウはβテスターでこのゲームに慣れている……

つまり、この男達を手玉にする事など簡単なのである。気を付ける事といえば、相手に攻撃を当てない事だろう

暫くすると、その強さに怯えた 、又は武器が無くなったのか残りの男達が逃げ出し始めた。リュウは追おうとせず見逃そうとするが、最後の一人がダガーを取り出してリュウに向けた

「こ、この野郎! 調子に乗るのもここまでだ!」

叫びながらダガーを振り回す

リュウはため息を一つつくと、男のダガーを持つ方の手を≪犯罪防止コード≫に引っかかるギリギリの力で鋭い手刀を繰り出す。手刀が手の甲に直撃し、男の手に鋭い痛みが走る。すると男はたまらずダガーを落とし、左手で右手の甲を押さえる

その隙を逃さず、リュウはダガーを拾い、男の顔面めがけて突きを放つ。 しかし、その突きは男の顔面の少し手前で止められる。怯えた表情を浮かべている男の顔からダガーを下ろすと、リュウは殺気を出しながら言った

「まだやる?」

そう言うと男はひっと声を漏らし、慌てて逃げ出した

●○●○

「ふぅ……」

リュウが一息つくと、背後から「あ、あ の……」という声が聞こえてきた。さっきからま
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