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蒼き夢の果てに
第6章 流されて異界
第124話 北へ
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終わり、今朝西宮の駅前に集合した時から続いて居た何か探るような瞳も消え、普段の才気と精気に満ちた瞳へと戻って居た。

 まぁ良いわ。そう、まるで肩の力を抜くかのようにそう呟くハルヒ。いや、多分、俺が不機嫌だと思って居た可能性があるから、本当に肩に力が入って居た可能性は有りますか。
 朝からの俺の表情から今回の弓月さんの招待に因り向かう先に待って居る事件が、最初に感じた彼女の予想以上に大きな事件の可能性がある、と考えたとしても不思議ではありませんでしたから。

 但し、俺の勘では何らかの危険な事件が起きて居る可能性が高い、……と考えて居たのも間違いないのですが。

「ねぇ、あんたが以前に通って居た学校って、もしかして魔法を教える類の学校だったの?」

 例えば、昔の陰陽寮みたいな――
 未だ思考の迷宮から脱する事の出来ない俺。結局、この辺りに関しては現場に行ってみなければ答えを得る事は不可能か。そう考えを纏め終える。そんな俺に対して、今度は興味津々、と言う雰囲気で問い掛けて来るハルヒ。瞳は普段の彼女のソレに等しく光り輝く。……そう言えば、彼女、タバサ、それに有希にしてもそうなのですが、やや釣り目気味の瞳と言うのは俺の好みの瞳なのかも知れない。
 もっとも、有希は俺以外の人間を見る時は路傍の石を見る時と変わらない瞳で見つめる事がほとんどだし、タバサも熱意のまったく籠って居ない、ただ開いているだけ、と言う瞳でしか他人を見つめる事がないので……彼女らの瞳が少し釣り目気味の理知的な瞳をしている事を知っている人間は、現実には少ないとは思いますが。
 それに三人とも妙に強情なトコロがあるのも、瞳が示す通りなのかも知れないですし。

「いや、俺が通って居たのは普通の公立高校やで」

 北高校と同じように総合選抜制度を採用した。
 別に隠すべき内容でもないのであっさりと答える俺。

 もっとも、その高校の教師が俺の仙術の師匠で有り、今の俺たちの担任教師甲斐綾乃さんの旦那さんで有り、
 更に、ハルヒの言う陰陽寮の系譜を継ぐ、日本の術者養成用の学校を首席で卒業した術者でも有る……と言う部分までは流石に口に出来ませんが。

「まぁ、俺の様な外様は日本の術者養成用の学校からは嫌われるから、通ったとしてもあまり良い顔はされなかったと思うけどな」

 そもそも、日本の術者の主流を占めているのは土御門や賀茂などの名前を継ぐ連中。もしくは、そいつらの傍系。今現在の俺や相馬家などはあまり良い評価は得られなかったでしょう。
 もっとも、弓月さんに関しては、微妙な線だったかも知れませんが。

「術の上手い、下手以外に、家柄で順位が決められるって言うの?」

 それって歪じゃないのよ。
 何故か頬を膨らませて文句を言うハルヒ。こいつ、自分も
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