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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
第百十七幕「夏休みの課題」
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じATフィールドを持ったEVAシリーズでしか事実上撃破不可能と言われたあの怪物を。これは言うまでもなく唯事である筈がない。

 安らかな寝顔を見せるベルの現在、過去、未来に立ち塞がる謎の数々。
 これから迎える夏休みにはそれを一つでも理解しないと――このままだとベル君が私の手の届かない所へ向かっていく気がする。そんな背筋をなぞるような悪寒がする。

「しょうがないな………こうなったら――夏休みはイタリア旅行決定だ!」

 謎を解くには、謎を知る人物に出会うしかない。
 ベルの身体に現状一番詳しそうな存在と言えば、彼の家族。

「お父さんとお母さんにも伝えないとねー………ダメって言っても行っちゃうんだけど」
「へぇ、新婚旅行かい?おアツいねぇ若いのは……」
「ヤダもう!新婚旅行だなんてまだ結婚もしてないのに気が早………………ん?」

 え?誰今の?ベル君が急にダンディーに成長して喋って……はないか。レーイチ君の声でもない。
 まさか、後ろに・・・いる!のか?
 そう思ってそろーりと振り返ると――そこには、見覚えのある一人の男がいた。

 くたびれた白衣に、どこか寝不足そうな気だるげな顔。
 壁際のいぶし銀と言わんばかりに壁に背中からもたれかかるポーズが妙に様になっている。
 私がこの世界で知った一番最初のイレギュラーにして、この世界で恐らく2番目にISに詳しいナンデモ博士。諸悪の根源にして、悪のマァッドサイエェンティィィスト!!

「金ぴかの悪趣味IS押しつけてきたチカさんじゃないですか。不法侵入で訴えて良いですか?」
「えっ、出会うなりイキナリ辛辣!?せっかく君の疑問にちょっとは答えようかと遠路はるばる馬鹿(たばね)の警戒網を潜ってこの部屋に来たのに!!」
『チカ様ぁ、多分自業自得だと思いますよー?』

 何やらレーイチ君にちょっと似た人工音声にツッコまれてトホホ……と腰砕けになる博士に、私は驚くと同時に気付く。

 そうだ、考えてみれば――この人に一番最初に聞くべきだったんだよね。
 
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