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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
第百十七幕「夏休みの課題」
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残念ながらそう思ってるのは本人だけである。

「この情勢下で教官の指示なしで勝手に行動するなど……軽率としか言えんぞ?」
「うっ」
「……そもそも襲撃の隙を与えた原因が、つららの捜索」
「ううっ!」
「………上手くいったから良いものを……もし怪我でもしたらどうするつもりだったのです?現場に余計な混乱が起こるどころか下手をすれば貴方の命も危うかったかもしれませんのよ!?」
「ううう〜〜〜………ごべんなざ〜い……」

 ラウラ、簪、セシリアのジェットストリーム追求にあれよあれよというまに気勢が削がれたつららは無残にもノックアウトされた。
 まぁ当然と言えば当然の反応である。この非常時に集団行動を乱して行方不明になり、次に現れた時には襲撃者の真上に試運転も済ませてないISで登場。しかもその間に何どをうやってか更識製ステルス装備をチョロまかすという軽い機密漏えいまでしているのだ。これで怒られないと考える方がどうかしている。
 次第につららの視線は愛しのセシリアお姉さまから外れて、寝転がっているユウの方へ流れていく。

「ユウさぁん……つらら、役立ちましたよねぇ……?」
「んー……まぁ、終わり良ければ全て良しってことで、みんなつららちゃんの事は許してあげてくれない?」
「ああっ救世主(ユウ)さまっ!」

 この空間で恐らく唯一の味方につららの笑顔がパッと花咲き、周囲が「うおっまぶしっ」と目を背けている。しかし多分つららの眼にはユウの背後に菩薩の如き後光が差している筈である。最もその後光は次の瞬間、簪とシャルの追求で消滅するのだが。

「何言ってるの……ユウは勝手な行動した人、二号……同じ穴のムジナ」
「そうだよユウ。ジョウは許したみたいだけど君も簪の粛清対象に変わりはないよ?」
「粛清!?ちょっ……シャルさん!?救いはないんですか!?」
「ニンジャ殺すべし、慈悲はない」
「忍者はどっちかというと襲ってきた方ですけどーッ!?」

 手を握り合ってがたがた震えるユウとつらら。しかしこれがマズかった。何がマズいって、ユウと女の子が急接近しているという構図が簪の心の琴線に触れてしまったのだ。ちょっと行き過ぎてるくらいユウに友情(某同級生の所為でかなり曲解されたものだが)を注ぐ簪にとってユウが自分以外とイチャつく状況はかなり面白くない。

「離れて」
「え?」
「ふたりとも離れて……!!」
「ヒッ!?か、簪さん!?」
「怖いです!怖すぎて逃げ出したいです!!」

 有無を言わさぬ阿修羅のような気配に二人の恐怖は加速して更に怖さを紛らわすように抱き合い、それがまた簪の嫉妬心に火を注ぐ。
 自分を差し置いて手を繋ぎ、あまつさえ抱き合う?………結論、有罪。

「カンザシ一等粛清官、これよりユウとつららをイレギュラ
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