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英雄は誰がために立つ
Life14 新たなる贋作者
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 変えようのない事実を指摘された一誠は、歯噛みするしかなかった。

 「本来は足止めだけで十分だったのだが、お前達のような強力な悪魔を始末できるのであれば越したことは、ない!」

 ライダーの声に応えるように、謎の幻想種は右前脚を禍々しい程に巨大化かつ、凶悪化させる。
 まるで今からお前たちを、これで押し潰すし滅ぼすと言外に宣告するかのように。

 「いくら悪魔とは言え、敵を苦しめる趣向を持ち合わせてはおらんのでな。余がお前たちに送れる唯一の慈悲として・・・・・・せめて楽に滅してやろう」

 狙いを一誠とタンニーンに定めて急降下するライダーと謎の幻想種。

 「クッソォオオオーーーーーー!!」

 瞼を閉じた一誠は、悔しさに溢れながら叫ぶしかなかった。

 (・・・・・・・・・・・・ん?)

 だが巨大で凶悪の常闇の足は、一向に自分たちに降りてこなかった。潰してこなかった。
 確かめるために瞼を開けると答えは直そこにあった。

 「し、しししし、士郎さん!!?」

 自分たちを庇うように、前に士郎は立っていた。
 しかもあろうことか、常闇の足を片腕のみで受け止めていた。
 しかしあまりにも巨大な足のため、針状の部分は士郎に突き刺さっていた――――否、士郎のは届いていたが当たっているだけで士郎の体のどの部位にも刺さってはいなかった。

 「むぅ!藤村士郎!?」
 「どうやって・・・・・・!?」

 よくよく見れば、士郎の体全体が煌びやかに輝いているようにも見えた。

 「一誠は無事だな。タンニーン殿のその姿は・・・・・・一誠を庇ってくれたからか」
 「は、はい。致命傷じゃないから何とか大丈夫だと思いますけど・・・・・・って、そうじゃなくて!何なんです、その体は!!?」
 「後で、話す!!」

 士郎はもう片方の手も使い、足から力を送り出し背筋から両腕部まで力を流して筋力を増幅させた上で、両掌から相手を突き飛ばすような衝撃を飛ばす。

 双纏手

 主に相手の防御をこじ開ける技として使用される、八極拳の一手である。

 「ぬぅ!?」
 『!』

 その威力により前足が一瞬浮いた。
 その隙を逃さぬ様に懐に飛び込んで人間で言う鳩尾部分に掌を向ける。

 「劣化・絶世の名剣の嵐(デミ・デュランダルロヴェーショ)!!」

 言うと同時に、煌びやかに光り輝く士郎の掌から幾本もの絶世の剣(デュランダル)に似た西洋剣を顕現させて叩き込む。
 その光景はまるで豪雨の様だった。とは言え、横向きなのでこの場合ガトリングの方が適切かもしれなかったが。

 『!?』
 「大した威力だが、その程度でこれ(・・)に聞く筈も無――――」
 「|壊れ乱れる幻想《ブロークン
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