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英雄は誰がために立つ
Life14 新たなる贋作者
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ーンの半分ほどの大きさもあり、これでは流石にあの銀色の鎧に覆われている謎の生き物も呑み込めないだろうと判断したのだ。
 されど、その期待は裏切られはしなかったものの、目標であるライダー達に当たる直前で霧散した。

 「なっ!!?」

 当然一誠は驚いた。
 だが相手は一誠の打ち出した魔力の塊の強さに感心していた。

 「ほぉ、まさか1回分消費されるとは思わなかったぞ?流石は赤龍帝を宿す悪魔と言うところか」
 「何!?」
 「だがこれで終わりなら、止めを刺させてもらうとしよう」

 ライダーは、銀色の鎧に身を包んだ自身の宝具たる謎の幻想種を睨む。
 それを合図に謎の幻想種は口を開くと、見る見るうちに濃密に凝縮された炎――――いや、獄焔とも言うべき魔力の塊を吐き出した。
 それを見たタンニーンは驚く。

 「それは俺の炎!まさか、あの常闇の壁は防いでいたのではなく吸収していたのか!?貴様はそれを凝縮させて俺達に放つと!!?」
 「余に代わっての説明、実に結構。では2匹纏めて逝くがイイ」

 ライダーが手で指示を出したところで、謎の幻想種は獄焔をタンニーン達に向けて解き放った。
 それに対してタンニーンは、すかさず一誠を懐に仕舞う為に掴み上げた。

 「タンニーンのおっさん!?」
 「いいから黙ってい、っ―――グッガァアアアァアアアアアアアアアア!!!」

 タンニーンは獄焔を喰らうも、一誠を庇いながら山中に落ちて行った。
 その様はまるで翼をもがれた堕龍の如くに。

 「迷っている暇はないか・・・!」

 遠方から一部始終を見ていた士郎は立ち止まり、ある決心をする。

 「投影、重装(トレース・フルクタル)!!」

 ある宝具を二種類投影する。
 
 「フン!!」

 投影した内の一振りを、魔術と仙術と魔法で強化した力によりやや斜め上に向けて、思いっ切り投げる。
 だが如何やらそれだけでは終わりではない様だった。


 −Interlude−


 「――――おっさん!おっさん!!」
 「グッ、ガッ、ゴッ・・・・・・・・・・・・ゴフッ!」

 何とか一誠を庇いきったタンニーンは、所々黒ずんでいる箇所が多く見られた。
 そして見た目以上に内部のダメージがひどいのか、吐血した血も黒ずんでいた。

 「ふむ、如何やら致命傷には至らなかったか。流石は腐っても龍王よな」
 「ッッ!?――――テメェ!!」

 上空からゆっくりと降下して来たライダーに向けて、一誠は殺気を向ける。
 しかしこの状況では負け犬の遠吠えと何ら変わりなかった。

 「その殺気だけは1人前の様だが・・・・・・魔力も僅かしか残っていないお前に、この状況を如何にか出来ると?」
 「クッ!」
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