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流転の防人
第5章「戦闘団(カンプ・グルッペ)」
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了解です、ぶちかましてやりましょう、終ワリ」
陽華が指示を送ると二番機機長の檜芳次郎(ひのきよしろう)三等陸尉から返信がもたらされ、陽華はそれを聞きながら雪菜に声をかけた。
「ユッキー射撃準備」
「了」
陽華の声を受けた雪菜は素早くMBF―Xの主翼両翼に搭載された高出力メーサー発射器の射撃態勢を整え、接近してくるスクーナー級の内の一匹に照準を合わせながら言葉を続けた。
「発射準備良し、何時でもいけます」
「OK」
雪菜の言葉を受けた陽華は頷きながら指揮統制システムを操作して、スーパーX改に射撃態勢が整った事を伝え、それに相前後して二番機もスーパーX改に射撃態勢の完了を伝えた。
「MBF―X隊が射撃態勢を完了したわ、美鈴、こっちの準備はどう?」
「準備完了、先頭集団に照準しています、何時でも射撃可能です」
「ドラゴン、更に接近中、間も無く射撃圏内に侵入します」
MBF―X隊の射撃態勢完了を受けた夕凪が美鈴と言葉を交わしているとドラゴンの接近を監視していた毛利が鋭い声で報告を行い、夕凪は機長用の戦術統制画面で概況を掌握した後に命令を下した。
「ドラゴンが射撃圏内に入ったならば直ちにMBF―X隊と共に攻撃を実施する、ドラゴンの特性を鑑み攻撃に使用するのはレーザー若しくはアベンジャーとする」
「「了」」
夕凪の命令を受けた美鈴達は即座にそれに応じ、夕凪は頷きながら戦術統制画面に移るドラゴンの進攻状況を確認した。
ドラゴンの群は更に接近を続けて射撃圏内へと侵入を開始し、それを確認した夕凪は即座に各隊に向けて通信を送った。
「こちらスーパーX改、攻撃を開始しますっ!!」
「発射!!」
夕凪の言葉を耳にした美鈴は即座に言葉を発しながら発射ボタンを操作し、スーパーX改に搭載された2基の高出力レーザー砲から鮮やかな蒼い光線が発射された。
「ユッキー、攻撃開始!!」
「ファイヤー!!」
スーパーX改の攻撃開始を確認した陽華の命令を受けた雪菜は鋭い口調で応じながらメーサー発射器の発射ボタンを操作してMBF―Xに搭載された高出力メーサー発射器から蒼い光線が発射され、二番機もほぼ同時にメーサー光線を発射した。
スーパーX改とMBF―X隊から発射された六条の蒼い光線は鮮やかな軌跡を夜空(そら)に描きながら接近するドラゴンめがけて吸い込まれていき、発射された光線は狙い違う事無く三体のスクーナー級を直撃して撃墜してしまった。
「今の攻撃って、高出力レーザー!?」
「おおっ、やった、やったっ!!」
スーパーX改とMBF―X隊の攻撃を目の当たりにしたサリアが驚きの表情と共に呟いていると、両者の戦果を目にしたヴィヴィアンが弾んだ声をあげ、そんな中スーパーX改MBF―X隊は更なる攻撃を実施して鮮やかな蒼の光線が再びドラゴンの群へと放たれた。

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