第二百二十一話 肥後の戦その五
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島津の軍勢と遂に対した、そこで。
まずは先陣が進み島津の軍勢と戦になった、最初は島津の軍勢が優勢だった。そのその島津の軍勢にだった。
信康は四天王のうちに三人達を中心に向かわせた。
「手筈通りじゃ」
「はい、では」
「ここは」
「進むのじゃ」
こう命じてだった、その手筈通りに。
軍勢を動かし島津の軍勢を攻めさせたのだった。
「では皆の者」
「はい、これより」
「我等もですな」
「攻めるぞ」
酒井はこう己が率いる兵達に言った。
「よいな」
「わかりました」
兵達も応えてだった、そうして。
島津の橙色の軍勢に黄色い軍勢が向かった、正面と左右から。
そして半月の陣になって攻めてだった、次は。
信康は自身が率いる兵達にもだ、こう言った。
「では次はじゃ」
「我等もですな」
「攻めに入りますな」
「徳川家の戦は大将が安全な場所にのうのうとしているものではない」
こう言うのだった。
「命は粗末にせぬが」
「ご自身もですな」
「戦の場に立たれますな」
「それが徳川の戦じゃ」
だからこそというのだ。
「わしも行くぞ」
「では我等も」
「お供します」
「周りはお任せ下さい」
「我等がお守りします」
「若殿を」
こう約束するのだった、そしてだった。
信康は自らも兵を進め後詰以外の軍勢で攻めに入った、だが。
その彼等を見てだ、島津の軍勢を率いる山田有恒は言った。
「頃合じゃ」
「ではここで」
「潜ませていた伏兵をですな」
「出してそのうえで」
「攻めませますか」
「かかったわ」
山田は笑みさえ浮かべていた、徳川の軍勢に攻められていても。
「ではここでな」
「はい、では」
「火矢を放ちましょう」
「そうせよ」
そう傍の者達に言うとだった。
戦場に一本の火矢が上がった、その火矢を見てだった。
森から鉄砲や弓矢を持った騎馬隊が飛び出てきた、彼等はそのまま徳川の軍勢の後ろに迫った、その彼等を見てだった。
家康は落ち着いた顔でだ、大久保に問うた。
「御主も読んでおったな」
「はい」
まさにだとだ、大久保も答えた。
「そろそろと思っていました」
「そうじゃな」
「そして来ましたが」
「さて、竹千代の手を見るか」
「この手の如何でこの戦は決まりますな」
「勝てば肥後が落ちる」
織田家のその中にだ。
「完全にな」
「そこから薩摩にも入ることが出来ますな」
「充分にな。しかしじゃ」
「敗れれば」
「我等は大きく下がることになる」
勝った場合とうって変わってというのだ。
「そうなるわ」
「その分かれ目ですな」
「さて、どうするかのう」
家康はあくまで冷静だった、自分達の方にその島津の騎馬隊が来ていても。
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