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ソードアート・オンライン〜Another story〜
現実世界
第155話 いつか届く、あの城に
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だけ、リュウキに嫉妬してしまった。大好きな人の所までいけない、とおもってるリーファ。寝言とは言え、否定してくれたんだけど、やっぱりまだ、無理だ。
「……否定はしないよ。だけど、それを比べる事は出来ないな。仲間だったら誰と飛んだってさ。……楽しいよ」
「……そっか」
リーファはそれを聞いて、ニコリと笑った。確かに愛する人、そして信頼する友達、仲間。その人たちを比べる事なんて、したくないだろう。皆が大切。それが、彼の答えだという事が直ぐにわかったから。
「それより、リーファに……、直葉に、気になってた事があった」
「気に……って?」
「あの時、あのパーティの時、表情が曇っていた。それが少なからず、な」
「っ……」
リーファは、思わず口元に手を当てた。あのパーティの時。リュウキが倒れてしまう前まで、確かに一歩下がった所にいた事は意識していた。顔に出ないようにとしていたつもりだったんだけど。
「……バレちゃったか」
「まぁな。……リーファは向こうでもこっちでも、顔に出やすい」
「む、ちょっとそれは失礼だよっ! レイナさんに言っちゃうんだからね!」
「……そ、それは失言だった。ゴメン」
「ふふふ」
随分と尻に敷かれているなぁ、とこの時思わずにはいられなかった。2人して、本当に可愛らしい。年上の人にそんな事を思うのは、それこそ失礼だけど、……思わない様にするのは無理だ。
「……それで、あの時はどうしたんだ? ……まぁ、オレが聞ける範囲じゃないのなら、無理にとは言わない。……人には色々あるからな」
「………」
リーファは、顔を俯かせた。
「(……あたしじゃ、皆の所には行けない) いや、違うの。……あんな大勢だって、思わなくって……ちょっと」
リーファは、そう言って笑った。その笑みの奥に、隠された懊悩が、確かにリュウキには視えた。だけど、安易に立ち入って良い領域じゃないだろう事も、判った。
「……そうか」
リュウキは、頷くと。
「これから、どうするんだ? リーファは」
「……もうちょっと、あっちまで飛んでるつもり」
「そう、か。判った。オレはもう少しここにいるよ」
「うん。……その、それじゃあ、また後でね……?」
リーファはそう答えると、翅を広げた。そして、身体を浮かせる。
「また、横断レース、しようね?」
「……そうだな。今度は負けないぞ」
「ふふ、受けて立つよー!」
リーファは、笑いながらそう言うと、夜空の向こうへと飛んでいった。
リュウキは、それを見届けた後、指を動かし……ウインドウを呼び出した。そして、メッセージを入れた。
今、リーファの力になって上げられるのは、1人しかいないと思ったから。
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