暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
現実世界
第155話 いつか届く、あの城に
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最中か?出るに出れんな」
エギルが、控えていた。レイナに差し入れ、そして そろそろ、店内の後片付けを、と思っていたのだが、リュウキが目を覚ました事で、あの空間が生まれている。あの中を堂々と入っていって、壊す程野暮ではない。
「まぁ 一応、後10分。リュウキが起きなきゃ、抱えて送っていくって約束だったからな」
勿論、抱えると言うのは比喩であり、ちゃんと車である。エギルは暖かく見守りつつ、店の奥での片付けを再開していた。
〜新生・アルヴヘイム〜
もう時刻は現実でもこの場所でも夜。
漆黒の夜空に星々が宝石を散りばめた様に広がっている。その漆黒の夜の闇を切り裂くように、飛翔し続けている妖精がいた。
其々の妖精の象徴でもある独特の色を輝かせながら、加速する。決して、速度を緩めたりしない。飛びのをやめない。以前までなら、限られた中で、最大距離を稼ぐため、最も効率のいい巡航速度や加速と滑空を繰り返すグライド飛行法など、いろいろなことを考慮して飛ばなければならなかった。
だが、それは以前までの話だ。
妖精達の翅を縛るシステムの枷は存在しない。あの日の彼らの、いや 協力した皆の活躍もあり、空の上の世界樹の秘密は暴かれた。空中都市などは存在しない。
《光の妖精アルフ》も、そして 訪れた者を生まれ変わらせる妖精王も。いや、妖精王と名乗る者は確かにいた。……偽物の王が。
その偽物の王を打倒した事で、この世界が一度崩壊。新たな大地を得て転生したとき、この世界を運営するかれらは、世界の支配者としてではなく、世界の調整者としてシステムを構築し直した。その彼らが あらゆる妖精の民に永遠に飛べる翅を与えたのだ。
「………っ!」
翅で本能のままに、空を飛び続ける緑色の光。その光はシルフを象徴する者。……リーファだった。
もう20分以上も飛び続けている。
この世界での加速のセオリーは、以前までの世界での感覚とは違う。以前までのは、滞空制限と言うものがあったから、考慮されていなかったのかもしれない。
ここでのセオリーは、自動車の様なものだ。
飛び立った直後は、翅を左右に広げ、振幅も大きく取る。《トルク重視》だと、キリトに言われた。
正直、意味は判らない。そこで、リュウキがトルクについての講義をしてくれたけど……、更にアタマがこんがらがってしまった。
『力学〜だの、にゅーとんだの』と 理解するのには、時間が足りなかったから、感覚だけを覚えた。
兎も角、その力、飛び方で力強く空気を蹴り飛ばした。そして、徐々に速度が乗ると、それに合わせて、今度は翅を鋭角に畳み、振幅も細かくしていく。|最高速度《マックス・ス
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