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ソードアート・オンライン〜Another story〜
現実世界
第155話 いつか届く、あの城に
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ていたのは直葉だった。表情を落としながら、そう言う。
皆の話は本当に面白かった。
面白かったけれど、本当に強い絆の存在を感じた。それは、この目の前で眠る少年と、あの輪の中で笑っている少女との絆だけじゃない。皆が其々繋がっている。目には見えないけれど、何よりも強く固い絆が。
……今は無い《あの世界》、浮遊城アインクラッドで共に戦い、共に泣き、共に笑い。そして、恋をした記憶。
それが、現実世界に帰ってきてもなお、彼等のなかで強い光となって放っているのだ。直視できない程眩しいもの。
「眩しすぎるよ……ね」
「………そんな、こと……ない」
「っ!!」
直葉は、思わず驚き、その声の元を目を見開いて凝視ししていた。確かに、眠っている彼の声だった。……誰かに聞いて欲しくて、でも 直接は言えなくて。だから、寝ている彼に一方的に聞いてもらっていた。
「どら……リュウキ……くん?」
直葉は彼の顔を見ていた。
「……うぅん。かんけー……ない」
「え? ええ?」
「…………」
「ね、寝言……?」
直葉は、驚いていたが……その言葉を聞いて、なんだか肩の力が抜けた。まだまだ、整理がつかないけれど、それでも。直葉は、これが最後だと思い、口にした。あの世界で共に戦った時の彼の名前を口にするのは。
「ありがとね。……ドラゴ君」
直葉は、……リーファはドラゴの頭、おでこにタオルを添えた。彼のあの世界の名はリュウキ、だから……。でも、あの世界でキリトと自分とリタとで旅をした名はドラゴだ。
これは、他の人たちにはない自分達だけの思い出だから。
そして、更に1時間後。
「う……ん……」
彼は目を覚ました。……非常に寝起きは最悪の様だ。身体を起こして……そして頭を抑えている。顔色が悪いのは見て取れる。
「い、た……いてて……」
ぐわんぐわん……、と割れんばかりの頭痛。胸のむかつきもあって、吐き気も……。そして、ふらつきもする。こんな気分は生まれてはじめての出来事だった。
「あっ……」
リュウキは、頭が揺れ 再び崩れ落ちそうになった。その後ろで。
「っとと、リュウキ君、大丈夫?」
倒れそうになる自分の身体を受け止めてくれた。
「あ、ありが……いてて……」
「あはは、あの後ずっと眠ってたしね? リュウキ君は」
「……と言うか、なんでオレはこうなってるんだっけ……」
リュウキは、頭の痛みが一体何から来るのか判らなかった様だ。レイナは、その理由をちゃんと説明。直接見ていた訳ではないけれど……、ちゃんと理由は聞いていた。リュウキはそれを聞いて納得すると同時に、初めて飲んだのだと理解した。
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