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ソードアート・オンライン〜Another story〜
現実世界
第154話 追憶のアインクラッド・レイナ編 《後編》
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…我が傍でいてやろう。永久に、な』

 ……NPCの決まり文句なのだが、まるで、リュウキに惚れてしまったかの様に、その純白のドレスと同じくらい白く透き通った顔に仄かな朱色が加わっていた。









 レイナは、比較的近い位置の光点を目指した。


 その場所は、丘の北部に位置している。敏捷度(AGI)を最大限まで活かし、走り続ける。まるで、閃光の様に。

 たどり着いた先。

 そこはあの丘の頂上にも負けていない程の花が咲き乱れていた。様々な種類の花。……美しい光景だったが、レイナは全く目に入っていない。ただただ、光源を探していた。あのマップ上に記された物、紋章とその配置されたと言う番人を。

「……どこッ!」

 レイナは、目を血走らせながら、そして叫んだ。マップを何度も確認し、殆ど光点の中心にたった。
 その瞬間。

 咲き乱れていた花が一斉に、花吹雪を生み出した。宙に飛び乱れる花弁。それらは、まるで意志を持っているかの様に、一つに集約していく。

 花で包まれたそれはまるで何かの蛹の様だ。

 2.3m程はあろう程の人の形に集まった花弁は、亀裂が入り……そして、中から人型のモンスターが現れた。血の様に赤い色の身体。身に纏っている衣も花で出来ている様だ。

『……我が名は《シュチピルリ》……花紋を守りし番人』

《シュチピルリ》
 アステカ神話で出てくる花の神。だが、相手が神であろうと、悪魔であろうと、レイナがすべき事は決まってる。

「……リュウキ君を、還してもらうっ!!」

 レイナは、まだ相手がクエストに沿ったセリフを終えてもいないのに。その全てを貫き通す獰猛な剣先を突き出していった。


 ……その戦いにかかった時間は長かった。異常だと思える程に。

 レイナの現在のレベルは今78であり、この層は第47層だ。その数字を、安全マージンを遥かに上回っているのにも関わらず、相手の強さはこの層を考えたら異常だったのだ。

 だけど……。

「はぁー……はぁー……っ」

 レイナは肩で息をしていたが、まだHPは7割程は残っている。リュウキの事で頭がいっぱいになっているが、自分が負けてしまえば、リュウキもただでは済まないだろうという事を考えて。今の自分は彼の命も背負っていると言う事を意識して……。その意識が、彼女を極限まで集中させたのだ。
 心は熱く、頭は冷静に。

「……次っ」

 レイナは、血盟騎士団で一応定められている、回復アイテムは常に一定量は持っておくと言う戒めを守っていた為。回復アイテムは全種類持ち合わせている。グランポーションを1本のみ使い、HPをMAXまで戻した。 次に向かうのは東の光点。

「リュウキ、リュウキくんっ…
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