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ソードアート・オンライン〜Another story〜
現実世界
第154話 追憶のアインクラッド・レイナ編 《後編》
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、魔法でも使われたかの様に。
『くくく。……まるで、獣の様だな……? 人間よ』
「くぅ……っっ!!」
レイナは、力任せに、拘束を解こうと何度も試みていた。だが、それは叶わない。システム的に、不可能となっている様なのだ。
『その者の命、汝が握っていると知れ、人間よ』
「っ!?」
この女の口から、リュウキの事が出た瞬間、レイナの意識は戻された。命を握っていると言う言葉で、だ。
『汝に試練を与える。……此処、花の都の丘。その丘に隠された四の紋を記してくるのだ。その紋章全てが集った時、この者に欠けた呪いは解かれる。……そして、我が配下を其々の紋の番人として召喚しておる。……強者だ』
そう言うと、再び指を鳴らした。その瞬間、思い出の丘の入口……、あの小川の橋辺りが黒ずんだ。
『逃げたくば、逃げるがよい。……気付いてはおらんだろうが、現世と この場所は今、完全に隔離されておる。……が、あの暗黒点に飛び込めば、現世に戻れる』
指をさしながらそう言う。その部分、逃げると言う部分はレイナの耳には全く入っていなかった。だが……、次の言葉ははっきりと入ってきた。
『但し、代償は勿論あるぞ。……汝が諦めたその時は、その者を我が貰う。……捕えてみて判ったが、強靭な生命力を持っている者だ。念入りに愛でてくれよう。我が手でな』
「……そんな事、そんな事!」
レイナは、切っ先を突きつける。
風で身体に呪縛を施されている筈なのに……、それを自力で解いたかの様だった。
「絶対にさせない!!」
『面白い……。汝らの絆の深さを、此処で見届けてやろう』
レイナは、そう言った瞬間、呪縛が解け 走り出した。
この思い出の丘のマップ上に光点が記されている。先ほど……、いや、これまででもこんな光点は無かった筈だ。だから、間違いなくその場所に、行けという事。そして、指定された敵を倒し、その証を集める。
すべき事は判った。
(わたしのせいで……ッ!!)
レイナは、そう思ったが、今は考える事をやめた。今は、そんな事を考えてるくらいなら、命に代えてでも、リュウキを助ける。それだけを考えていた。
そして思い出の丘の中央、白い岩の上で1人佇んでいる女は、ゆっくりとした動作で岩の上に腰をかけた。
『……浅い絆であれば、相手を簡単に見捨てるだろう。だが、深く結ばれた絆であれば、何があっても見捨てたりはしない。どれだけの相手であっても、な? だが、所詮は人間、だ。人間は醜い。……集める事など叶わぬ』
そう呟きながら、くくっ と笑みを零した。そして、ゆっくりとリュウキの方へと向かう。
『……なんと生命力に満ちた男子よ。案ずるな。あの女子が見捨てたとしても、案ずるな。…
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