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ドリトル先生と森の狼達
第九幕その七

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「先生、日笠さんはいい人だから」
「とてもね」
「だから何かあったらね」
「こうした時でもね」
「お話したらいいよ」
「何でもね」
「是非すべてきだよ」
 トミーよりもさらに発展させた様に言うのでした。
「そういうことでね」
「先生ならではだよ」
「いいね、じゃあ」
「日笠さんを頼りにしてね」
「何でもね」
「そうしないとね」
 気付かないまま応える先生でした。
「あの人は立派な人だから」
「ただ立派なだけじゃない人だよ」
「学者さんとしても人としてもね」
「先生をあらゆることで助けてくれるよ」
「色々なことでね」
「そうだね、いい人だよ」
 こうは答えても勿論気付いていない先生です。
「とてもね、ああした人と一緒になれる人は幸せだね」
「いやいや、そこでそう言うとね」
「ちょっとね」
「先生はね」
「本当に駄目だね」
「何が駄目なのかな」
 先生は呆れる皆に穏やかな声で尋ねました。
「僕のことだよね」
「そうだよ、他ならないね」
「先生ご自身のことよ」
「全く、先生はね」
「こんないい人いないのに」
「本当にね」
「困った人よ」
 皆さらに言います。
「春は遠いわね」
「先生にとってね」
「果たして春は何時になるか」
「来ないなんてことになったら」
「どうしたものかしら」
「春?今が春だよ」
 先生は皆が言うことを全くわからないまま応えます。
「いいよね、日本の春は」
「その返事だけでね」
「皆力が抜けるから」
「先生の悪いっていうか抜けてるところ?」
「不得意なものは徹底的に不得意だから」
「何も出来ないのよね」
 家事にしてもこうしたこともです、とにかく先生は苦手な分野についてはこれ以上はないまでに駄目です。不得意そのものです。
 このことは特にです、とにかく気付かないままです。
 先生は皆にです、こう言うのでした。
「さて、後はね」
「うん、これからだね」
「これからどうするかだね」
「熊さん達からのお話も聞いたし」
「後はどうするか」
「調査を続けるのかな」
「植物も調べてるけれど」
 そのうえでというのです。
「他の動物の皆のお話も聞きたいね」
「うん、じゃあね」
「これからもね」
「じっくり調べよう」
「これからも」
「あと少しだけれどね」 
 それでもというのです。
「この辺りを調べよう」
「はい、じゃあ」
「このまま続けようね」
 トミーと王子も応えます。
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