32.いつかは猫の恩返し
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前にもカツオブシを提供してくれた恩人でもあるにゃ!しかし……我々ねこは、まだその恩に報いる事を何もしていないのにゃ!!」
(自分の事をねこだと言い切っているぞ……)
普通キャットピープルはねこは好きでもねこ扱いされるのがそんなに好きではない。
何故ならねこはヒューマンの家畜でもあるから、そこに上下を作られたくないのだ。
この事から、彼女にはかなり強いねこ化願望があることが伺える。
そしてそれはガネーシャに聞かされたことがあった。
詳しい所はぼかされたが、どうやら彼女は母親に捨てられたと思っているそうだ。
そして、捨てられたのは自分がねこではなかったからだと思っているらしい。
全ては真実ではないが、虚偽でもない――だからミネットは『居場所』に拘り、『捨てられる』事を怖れ、『ねこ』に憧れる。そう語ったガネーシャの眼は悲しそうだったのを覚えている。
(とはいえ、今は周囲に甘える事も出来ている。このままミネットがゆっくりと成長してゆければそれでいいと考える事にするか)
リングアベルの杞憂をよそに、ミネットはかつおぶし片手に猫たちに説明を続ける。
「そこで!リングアベルにも簡易的な『ねこねこネットワーク』の利用者になってもらおうと思うにゃ!!ついては……利用料代わりのカツオブシにゃ〜〜〜!!これを食べた謝恩として、リングアベルが困っている時は協力してあげるにゃ〜〜!!」
山吹色のお菓子をばらまくようにリングアベルの削ったカツオブシがばら撒かれ、ねこたちが我先にと群がってくる。ただし容量、用法をきちんと守って食べないとねこたちの健康に悪いのでやりすぎはしないが。
「さて、これでよしにゃ!」
「ふむ………ミネット。簡易的な『ねこねこネットワーク』とはなんだ?」
「勿論説明するにゃ!聞き漏らさないようによく聞くにゃ!!」
そもそも、『ねこねこネットワーク』とはアスタリスクの加護によってテレパシーなる意識の共有が為されることで成立するらしい。そのテレパシーは、例え声を出さなかったり距離が果てしなく離れていても、相手がねこならば通じてしまうそうだ。
テレパシーの方はアスタリスクの正当所持者だけが持つ特権なので今のミネットからは失われているが、それでも残った加護を使えば「集合」や「解散」といった簡単な意志ならテレパシーで疎通出来ているそうだ。つまり、自由度は低いがネットワークは未だに生きているという事になる。
「残念ながらアスタリスクの加護をリングアベルに授けるのは無理だけど、それでもねこたちにリングアベルを覚えさせることはできるにゃ。さっきのカツオブシを代価に、ねこたちはリングアベルの頼みごとをある程度聞いてくれるにゃ!」
「ほう……興味深いな。つまりねこの言葉は分からなく
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